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Google Attribution の提供スタートへ。Google Analytics のアトリビューションと何が違う?

2017年5月23日、Marketing Next カンファレンスがサンフランシスコで開催されました。最近のウェブマーケティングにおいて重要トレンドでもある「機械学習」がメインテーマです。
その中で、Google 社は Google Attribution のベータ版を発表しました。(※日本版の提供は今のところ行われておりません)
発表の中では、機械学習を取り入れることで、購買意欲の強いユーザー層を分析する機会を増やせる、としています。
今回のブログでは、新しい Google Attribution ができること、Google Analytics のアトリビューションモデル比較ツールのご紹介、Google Attribution の提供によって考えられることについてお話ししたいと思います。

アトリビューション分析とは

ユーザーはWebサイトで成約に至るまでに、広告や他サイトなどの複数の経路をたどっています。直接成果に結びついた行動の前に様々なタッチポイントがあり、その経路をきちんと把握しておくことが重要になってきています。

アトリビューション分析とは、直接成果に繋がった経路や広告だけでなく、成果に至るまでのすべての履歴を解析し、成果への貢献度を測る分析法のことを指します。

Google Marketing Next カンファレンスでの発表内容

ユーザーとの多くの接点がある中で、重要な役割を果たしたコンテンツは何なのかを知ることが出来るのが、Google Attribution です。
2017年 Google Marketing Next キーノート・スピーチで、その機能について紹介しています。

2013年から Google Analytics でアトリビューション分析は利用できますが、コンバージョンに至るまでの経路は長く複雑で、(例えば)ユーザーが端末を切り替えると購入経路を追跡できませんでした。
そのため、今でも多くのマーケッターはラストクリックに基づく成果測定から抜け出せずにいます。また、データ統合も緊密ではなく、データ結果をマーケティングに活かすのが難しいという課題がありました。

新しい Google Attribution は、そういった課題を解決するための、購入経路の包括的な測定ができるツールとして提供されます。
(画像元:Google Marketing Nextカンファレンスのスライドより)

この測定を可能にするのは、Google 社が提供している AdWords、Analytics、DoubleClick といったサービスのデータです。Google Attribution は、これらのデータを統合し、異なるアトリビューションモデルの比較、分析結果から新たなマーケティング戦略を導きます。
さらに、これらのデータを収集するだけでなく、「実店舗での購入」を追跡できる機能が加わる見込みです。

Google 社は、2014年からユーザーを店舗に誘導するためのローカル情報の充実に注力していました。ユーザーの位置情報を基にして付近の店舗のお得な情報や在庫情報を表示する「ローカル在庫広告」や、来店数測定機能を AdWords で提供しています。ユーザーが持つスマートフォンの位置情報を活用することで、どの場所で広告を見て、商品を検索し、実店舗での購入に至ったのか、の一連の流れをトラッキングすることが可能になるのです。
さらに、Google Attribution を使えば、Google のパートナー事業者との連携により、(米国であれば)クレジットカードとデビットカードによる売上の約70%を追跡できるそうです。

アトリビューションの測定は、他社ツールを導入した場合、正確な測定まで数ヶ月から数年かかるとされています。
Google Attribution は、タグ付けと統合を Google の既存のエコシステムが扱っていること、また機械学習に力を入れていることもあり、正確な測定には数日から数週間しか要しない点も、大きなアピールポイントのようです。

実際の画面を少し見てみましょう。
新しいモデルを選択すると、各チャネルのコンバージョン数が変わります。下記のイメージのように、コンバージョンの貢献度の変化を緑色のバーで表しています。

この図を見ると、検索広告とディスプレイ広告の貢献度が上がっている状態です。これを他のツールと連携させることで、さらに精度の高いパフォーマンスの分析ができるというものです。

既存の Google Analytics アトリビューションについて


Google Analytics のアトリビューションでできることも見ておきましょう。アトリビューションの「モデル比較ツール」では、上記のモデルを投入した場合の広告効果を分析することができます。すなわち、どのモデルを採用すれば、より高い効果を得られるかを比較検討することができるのです。
どのチャネルが経路のどの時点で利用されているのか知り、どのチャネルに予算をいくら投入するかを決定することで、広告予算の最適化が期待できます。

予算の配分は以下の7つのモデルがあります。

有料版の Attribution 360 でできること


オンラインとオフラインを横断した広告効果を分析する以下の3つの機能があるのが特徴です。TVCM や検索に関するデータなど、マーケティングチャネルの全データを一本化するのに役立ちます。

1.デジタルアトリビューション

デジタルマーケティングのアトリビューションモデリングと最適化を支援する機能。ファネル形式でマーケティング成果を分析することが可能です。

2.TV アトリビューション

TVCM の効果を計測する「TV アトリビューション」の機能は、TVCM 放映後の前後10分間のウェブサイトの訪問数と Google 検索エンジンでの検索数によるブランド認知を計測します。
過去のウェブサイトへのアクセス推移から計算された予測値よりも訪問があった場合は TVCM からの訪問と判断され、予測値と乖離が出ているほど効率のよい CM が放送されたと判断されます。
TV インプレッション数のデータは、保有されているデータを利用することもできます。

3.MMM(マーケティングミックスモデル)

テレビ以外のオフラインメディアも含めた計測を行うことができます。

このように、コンバージョンへの道筋を理解し、オフライン広告への投資がもたらす効果を把握して投資収益率を高めたければ、有料版ではありますが Attribution 360 はとても便利です。

求められる透明性と安全性

Google Attribution には「実店舗での購入」を追跡できる機能が加わり、クレジットカード売上の追跡も出来るようになるわけですが、こうした動きに懸念を示す人もいます。

新しいシステムの仕組みや提携企業などについて明らかにしていないことに対するセキュリティ面での不安の声や、ライバルの広告効果がより高いという結果になると測定値を水増しするのではないか?といった意見もでています。
大手デジタルエージェンシーの HUGE(ヒュージ)でデータサイエンス責任者を務めるデビッド・ロシッター氏も、Google が自社メディアと他社メディアを公平に扱えるのか、またその方法はどういったものなのか、についてもマーケッターは注意すべきだとしています。
(参考リンク)
http://digiday.jp/platforms/no-real-separation-church-state-marketers-skeptical-googles-new-attribution-tool/
http://wired.jp/2017/06/06/adwords-google-attribution/

Googleは、そういった意見が出るのを見越してなのか、
「安全とプライバシーに配慮した形で取引と Google 広告を関連付けます。顧客データの保護のため、レポートの作成には店舗での売り上げに関する匿名化された集計済みデータのみが使われます。」
公式ブログで説明しています。今後、さらなる発表もあるかもしれません。

他方で、ユーザー側は、アカウントの行動履歴や情報をウェブ広告に反映させない「オプトアウト設定」を行うことで、情報を Google に提供されないようにするといった方法で情報を守ることができます。クレジットカードやデビッドカードの利用が追跡されるのであれば、現金主義にするのも一つの回避策かもしれません。

マーケティングへの投資が、具体的にどういった成果を生んでいるのかを把握できるようになり、マーケッターとしては便利になってきています。他方で、Google を含めデータを取り扱う企業の「安全性」と「透明性」について常に厳しい目が向けられているということも、肝に銘じておく必要があります。

参考資料

・Google アナリティクス ソリューション:機械学習が後押しする広告と解析におけるイノベーション
https://analytics-ja.googleblog.com/
・アナリティクスヘルプ:アトリビューション モデルの概要
https://support.google.com/analytics/answer/1662518?hl=ja
・Google アナリティクス ソリューション:アトリビューション 360 のご紹介
https://analytics-ja.googleblog.com/2016/06/360-google-360.html

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