個人の特定も簡単?顔認証の技術と問題点について | SiTest (サイテスト) ブログ

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個人の特定も簡単?顔認証の技術と問題点について

以前のエントリでは画像認識サービスについての紹介をしましたが、今は静止画だけではなく、動きのある実際の人間の顔についても認識技術が向上しています。
今回は「顔認証」の活用事例と、その技術の問題点についてお伝えします。

顔認証とは

顔認証とは人間の体の特徴を利用する生体認証(バイオメトリクス認証)の一種で顔認識技術を用いて個人を認証するシステムの事を言います。

生体認証は、暗証番号やパスワードなどに比べ、原理的に極めて「なりすまし」にくい認証方式で、指紋や静脈をはじめ眼球の虹彩、声紋などの固有の身体的特徴を使ったさまざまな入力の仕方があります。
比較的利用しやすい、指紋や静脈を利用するものは、すでにスマートフォンや銀行ATMで活用されておりすでにお使いになられた方も多いと思います。

一旦登録を済ませてしまえば認証の手続きが簡単なこと、パスワードの流出や記憶違いといったトラブルとも無縁なのが利点で、今回紹介する「顔」による認証は私達が相手を識別する際に日常的に行っている行為でもあり、顔認証は生体認証の中でも最も自然で抵抗が少ないものの一つです。

顔認証活用事例

windows hello

Windows Hello は、目で見たり、タッチしたりするだけという、よりパーソナルな方法で Windows 10 デバイスにサインインする機能です。 これにより、パスワードを入力することなく、企業で採用されるレベルのセキュリティが実現されます。
引用:Windows Hello とは – Microsoft Support
Surface Pro4で実際に顔認証を使ってみましたが、非常にログインが簡単でスピーディー。
赤外線カメラで顔の凸凹を検出して認証を行うので写真等をかざして見せても解除されないのは流石です。

ハウステンボス「変なホテル」

参考記事:自動運転ロボや顔認証キー…「変なホテル」はIT見本市(日本経済新聞)
グローリー株式会社が開発した顔認証技術を使用しホテルの入室をキーレスで行うことができるシステムです。
この顔認証システムは、数千人の顔画像から作成した平均顔上の100個のサンプル点を基準に、認証する個人の顔画像上のそれと比較する独自のアルゴリズムで、業界最高レベルの認証精度なのだそうです。

顔認証キーを含めた先進的なホテルのシステムは公式動画で確認することができます。

NECの顔認証システム「NeoFace Watch」

参考記事:入国外国人、テロリスト画像と瞬時に照合(日本経済新聞)
NECの顔認証システムはアメリカのJFK空港に採用され、本格稼働したという内容の記事です。
そのシステムは圧倒的で、160万人の画像を0.3秒で精査し画像の質が悪くても正確に照合してくれるそうです。

NECは顔認証など人工知能(AI)を使った複合的な監視システムをすでにアルゼンチン、ニュージーランドなど4都市で都市監視システムを導入しており、顔認証や行動検知による「犯罪のパターン」を学習。
なんとアルゼンチンのティグレ市ではシステム導入後に車両の盗難が80%も減少したという事例もあります。
導入都市が増えるほど、犯罪パターンをAIが学習する機会が増え精度が高まるため、数年以内に100都市に導入したい、としています。

また最新のソフトウェアでは更に高速で高精度な検索とリアルタイムでの解析が可能となっています。
NEC、解析した防犯カメラ映像から特定の人物を検索するAIソフトウェア発売
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画像出典:「NeoFace Watch」画面イメージ

顔認証の問題点

その一方で、顔認証にはプライバシー保護の観点からその存在を忌避する人たちも少なくありません。
顔認証データは指紋や静脈、虹彩と違い、各個人に気付かれずに収集される可能性が常にあるからです。
駅ビル内の「顔識別」、プライバシー問題で実験延期(日本経済新聞)
上記の実験は駅利用者によるプライバシー侵害に関する懸念が高まり、結果的には一般利用者野へ入れないエリアでの、文書で同意を得た人のみを対象とした夜間実験に規模を縮小されました。

また、アメリカでは消費者の75%はマーケティング目的で顔認証技術を利用している店舗での購買をしたくない、という調査結果もでており、テクノロジーによる効率化と個人感情とが必ずしもマッチするとは言えないようです。

Tracticaの調査によれば、2024年には1億2, 000万台のモバイル・ウェアラブル機器が顔認証技術を採用しているという予測がされており、画像収集と照合が個人レベルで容易に行えることで悪用するユーザーがでてこないとも限りません。
Facial recognition tech will exist on 123M devices by end of 2024, report says

最後に

こちらの「Your Face Is Big Data」というプロジェクトでは、地下鉄で隠し撮りした乗客の顔写真とSNSのプロフィール写真から、ニューラルネットワークを使用した顔認識アプリを用いて70%の精度で個人の特定に成功したことを公開しています。
参考記事:地下鉄で撮影された写真からSNSを特定してプロフィール写真と比較される「Your Face Is Big Data」(Gigazine)

顔認証ですぐに個人照会ができる時代になり、安全と便利さをさらに追求し整備をすすめるうえで個人のプライバシーにも配慮するかが今後の焦点となることは間違いないでしょう。
顔認証システムはまだ運用についての法整備も整っていないところもあり、個人情報が気になる方は自分自身の情報管理をしっかり行うことが現時点ではもっとも有効な対策なのかも知れません。

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