IBM Watsonの次の取り組みは「MERA」。介護分野で活用されるロボットアシスタントに。
いま人工知能の活用事例としてもっともビジネス導入事例が目立つのはIBMのコグニティブ・コンピューティング「Watson」ではないでしょうか。
Google検索でも「Watson」or「ワトソン」で検索すると上位はIBM Watsonが占めています。
おそらく今まで世界で最も有名だった「Watson」、シャーロック・ホームズシリーズの登場人物ジョン・H・ワトスンはすっかりその地位を奪われてしまった感があります。
IBMの次の注力分野は?
IBM Watsonが今まで行ってきた挑戦、導入実績は当ブログでも何回も紹介していますが、次にIBMがフォーカスする分野は「介護」。
多目的介護ロボット「IBM MERA」(Multi Purpose Eldercare Robot Assistant)をライス大学とともに開発しています。
IBM and Rice University Create Watson-Powered Robot to Improve Eldercare(YouTube)
上記の動画で登場するロボットはソフトバンクが開発した「Peppper」。
MERAはPepperが備えるインターフェースを制御し人間の顔を撮影・記録することでバイタルサインを測定します。
日本での導入の可能性は?
日本では馴染みの深いPepperが関わっているということで、当然日本での早期導入が期待されますが、その環境は整っているのでしょうか。
介護業界は慢性的な人手不足のイメージが定着しており、人材が集まりにくく離職率の高さが問題視されています。
現場の負担緩和の意味でも「介護ロボット」の導入は注目されており、介護ロボットを「利用したい」、もしくは(事業者に)「利用してほしい」という声は国民の約6割にものぼっており、介護にともなう心身、費用の負担が軽減するのではと大きな期待が寄せられています。
国も導入を支援
厚生労働省が実施する介護ロボットの導入を後押しする補助金「介護ロボット等導入支援特別事業」が注目されています。
1法人1事業所という制限があり、1事業所あたりの上限額が92万7,000円とロボットを導入する資金として足りるどうかはちょっと疑問ですが、まずは市場を拡大させるという意味でも積極的に推進して頂きたい制度です。
ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)について(Youtube)
どのようなロボットに補助金が適応されるかは経済産業省ロボットポータルサイトにも解説されています。
MERA(Pepper)の機能とはすこし違う感じの内容ですが、人工知能によるヘルスケア機能充実とともに、適応範囲も広がってくのではないでしょうか。
最後に
経済産業省ロボット革命イニシアティブ協議会によると、介護ロボット市場は2020年には約500億円に拡大する予測がされており、現在の30倍以上に膨れ上がると考えられています。
今後、市場の拡大がますます技術の進歩を促進するでしょう。
今はソフトバンクショップで接客してくれているPepperが、病院や介護施設でも活躍する日は遠くないようです。
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