人工知能によるウェブマーケティングが成功。人工知能をビジネス登用する前に必要なこと | SiTest (サイテスト) ブログ

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人工知能によるウェブマーケティングが成功。人工知能をビジネス登用する前に必要なこと

人工知能開発企業 Adgorithms によって作られた人工知能「アルバート(Albert)」がウェブマーケティングを成功させたと発表し話題になっています。人工知能がウェブマーケティングを最適化し、人間の手を離れてその効果を最大化することは本当に可能なのでしょうか?今回のブログでは、その検証を試みたいと思います。

アルバートができること

アルバートは、人間の操作をほとんど必要とせず、電子メール・モバイル・ソーシャル・検索・表示など様々なチャネルをまたいで、マーケティングを実行できる自律的な人工知能とされています。
予測分析、機械学習、制御システムとフィードバック、自然言語処理、その他の独自のアルゴリズムを組み込んだ Artificial Intelligence を中心に構築されています。

 ・キャンペーンの実施
 ・テスト
 ・最適化
 ・アナリティクス分析・洞察
 ・競合他社が使う Keywords を分析し、ターゲティング

ランジェリーブランド「コサベラ」は、アルバートを使用することで同社が運営する EC サイトの顧客基盤が 30% 広がり、ROI が 3倍 になったと報告しています。同社のマーケティングディレクター、コートニー・コンネル氏はアルバートの活動について以下のように話しています。

AI には固定されたクリエイティブでなく、さまざまな要素を与えた方が良いことが分かりました。
アルバートはさまざまなコピーと写真の組み合わせを試み、最初の 2週間ほど は最適化に時間を費やしました。しかし、ひとたびキャンペーンの最適化ができれば、アルバートは独自のキャンペーンに着手します。
(中略)
実験的にいろいろなことを試せる余地を人工知能に与えなくてはなりません。そうすることで、今まで見逃していた潜在顧客の小さなグループを人工知能がいくつも見つけるのです。

(引用元:(campainJP)AI と働くということ)
このように、人工知能が高い精度でアクションするにはいろいろなことを試しその結果を十分に測定できるほどの多種多様なデータと、最適化するための時間を与えることが前提となります。

人工知能は最初から何でもできるスーパーヒーローではない

いろんなシーンで活用され始めている人工知能ですが、先ほどのアルバート搭載によるマーケティングの成功事例が全ての企業に当てはまるとは限りません。そもそも、人工知能が頼れる存在になるには、先述の通り時間が必要です。
Facebook 社で Messenger のプラットフォーム用チャットボット開発に取り組んだ際、当初はユーザーのリクエスト処理の失敗率が 70% とお世辞にも人工知能が機能しているとは言い難い状態でした。
専門知識に詳しい人をたくさん雇っている Facebook ですら、システムを自動化しようとすると問題が起こっています。ですから、人工知能の品質を向上させるトレーニングが十分にされていないまま世に送り出すと、意図した機能を満たさないといったリスクをはらんでいるのも事実です。

頼れる人工知能にするには時間が必要?

マーケティング支援を手掛けるシャノンは、約半年かけて機械学習による見込み客の判定システムを構築したと発表しています。2015年4月にサービスを開始した「Amazon Machine Learning」をいち早く採用し、アクセスログなどの顧客履歴から「見込み客」「非見込み客」を判定するロジックです。

◆人工知能が完成するまでの流れ(シャノンの場合)
Web サイトの行動履歴や、メールからの誘導による Web サイトへのアクセス、スマートフォンのアクセスログなどをマーケティングシステムに格納

データフォーマットを整形した後、Amazon Machine Learning の2項分析というクラス分類機能を使い、「見込み客」と「非見込み客」の 2クラス に分けて登録(およそ 50万~100万 件)

Amazon ML で予測モデルを生成し、新規顧客のアクセス履歴を予測モデルにかける

「見込み客」か「非見込み客」かを判定

どれを「特徴」として抽出すべきかの判別は機械学習にはできない

Web サイトやメール、スマートフォンなどさまざまなマーケティングチャネル(ツール)がある一方で、それぞれログの数も膨大になります。仮に購入してくれた顧客がいても、どれを「特徴」として抽出すべきかの判別は機械学習にはできません。

約半年かけて機械学習による見込み客の判定システムを構築した。現在はその精度を高めるために、日々、説明変数の見直しを図っている。

(引用元:シャノン、顧客履歴から見込み客を判定)とあるように、アクセスログなど顧客履歴の意味付けの議論に時間を割く必要があるようです。

目標設定は、やはり人間の領域

「向上すべき業績を明確にする」・・・これに関しては、やはり人間で設定することが重要です。

膨大な量のビッグデータを解析することは人間には不可能に近いですが、それを可能にするのが人工知能です。人工知能は日々のデータ収集の中から、それと関係がなさそうなデータでも相関関係を見つけ出し、業績向上の「手助け」をします。あくまでも、「手助け」なのです。

人工知能と人間のやるべき領域をしっかりと明確化することで顧客に最適なマーケティング施策を、自社にとってより生産性のある業務が可能になります。前述のとおり、設定した目標を達成する人工知能にするためには「目標設定」はかかせません。

人工知能の導入段階の前に、ウェブマーケティングリテラシーの底上げを

人工知能を自社のビジネスに取り込もうとしている企業が着実に増えているなかで、これをビジネスや業務に活用したいと考える企業に求められるのは、人工知能技術を活用する用途・目的・目標を担当者個人ではなく、チーム全体で整理することです。
これらの認識や優先順位が担当者によって違うと、次のアクションの軸がぶれてしまい、人工知能が測定したデータをうまく取り扱えなくなってしまいます。

・お客様がどのような課題を解決したいのか?
・提案しているツールで何が実現できるのか?
・自社以外のツールなら何が一番解決策に近いのか?

というように、お客さま視点に立ち、一歩踏み込んだ提案をできる所までリテラシーの底上げを社内ではかる必要があります。
まずはデータ解析の目的を見出す段階まで落とし込み、解析結果から検証して、今後ユーザーに何を提供していくかといった方向性を定めてから設計することが欠かせないのです。
運用システムを自動化させる前に、自社のマーケティングステージがどの段階なのかをすり合わせましょう。

まとめ

人工知能が本領発揮するまでに時間がかかるということ、人工知能を活用する前の段階で、ウェブマーケティングや人工知能システムのリテラシーの底上げと自社の明確な目標設定が重要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによる最近の研究によると、業務活動の 45% は人工知能などの最新技術によって自動化される可能性を秘めており、そのうち 80% は機械学習によってそれが可能になると発表しています。自動化により、多くのルーチンワークまたは反復タスクを正確に処理することで、業務を行う人間は創造性と感情を利用するタスクにもっと集中できるようになるでしょう。
また、人工知能の行動履歴が見えないツールは注意が必要です。ブラックボックス化しないよう、人工知能のアクション履歴を誰でもみれる状態にして管理し、人工知能の動きを人間も理解できるようにしていきましょう。

参考資料

・Albert HP
https://albert.ai/
・Facebook Inc’s Chatbots Hit a 70% Failure Rate
https://www.fool.com/investing/2017/06/14/why-shares-of-pandora-tumbled-17-last-month.aspx
・日経システムズ:シャノン、顧客履歴から見込み客を判定
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/16/030800006/030800006/?ST=act-data&P=2
・McKinsey Quarterly:Four fundamentals of workplace automation
http://www.mckinsey.com/business-functions/digital-mckinsey/our-insights/four-fundamentals-of-workplace-automation

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