マーケティングテクノロジフェアセミナーレポート「人工知能による顧客エンゲージメント強化」その1
弊社代表取締役の金島がマーケティングテクノロジーフェア2016(平成28年2月17日)において、「人工知能による顧客エンゲージメント強化~CVR向上と業務効率も40%改善?~」というタイトルで講演致しました。
現在AI、ディープラーニング、機械学習等は大変注目されていると同時に、技術的に急激に発展しているという背景があります。
弊社もその中において事業を展開しており、SiTest (サイテスト)に関連する本講演内容は以下の通りです。
- AI (人工知能) 歴史と概要の理解
- 企業の課題
- 顧客エンゲージメント
- 改善事例
- AIレポーティングによる業務効率化
- まとめ
今回は、「1. AI (人工知能) 歴史と概要の理解」の内容となります。
AI (人工知能) 歴史と概要の理解
ここでのエンゲージメントは、ターゲットになる「Webサイトに特化したエンゲージメント」となります。人工知能や機械学習により業務効率をより良くすることによって、人間の作業や意志決定をよりクリエイティブにし、意思決定をより迅速にすることをセミナーの目的やゴールとして、次の3点があることの説明が行われていました。
- 機械学習の基本
- エンゲージメントを再認識すること
- 最大の目的であるコンバージョン率向上、業務効率改善について
会社概要
株式会社グラッドキューブは、大阪に本社があり、東京の赤坂に支社があります。インターネット広告事業、SiTest (サイテスト)という解析改善アプリケーション、現在はこの2つの事業から成り立つ会社です。
インターネット広告事業は、2011年から5期連続でGoogle Awardで最優秀賞など受賞は日本初。Yahoo!は、西日本でトップレベルの取扱高の水準にあります。
SiTest(サイテスト) について
この講演で取り上げるSiTest (サイテスト)のミッションは、人工知能によるA/Bテスト、レポーティング等、様々なサイト改善業務の人間の作業の70%をサポートすることです。このSiTest (サイテスト)は、”Webサイトをテストする”というところから命名されました。
SiTest (サイテスト)のチームは、日本、韓国、ルクセンブルク、アメリカに展開しているグローバルな構成です。
例えば、Webサイトの問題発見、解析、テスト、レポーティング、意思決定、或いはアドバイス等、コンサルティングを依頼されることも多く、それらはなかなか難しいものです。
サイテストにおいては、人工知能を基軸し、解析システム、A/Bテストシステム、ヒートマップシステム、EFOシステム、セグメント比較をワンプラットフォームで実現しています。3つ別のサービスを使うよりは、コストも約1/4以下でご利用いただけるのが最大の特徴です。
現在、7万8千サイト(2016年1月現在)に導入実績があり、様々なメディアにも取り上げていただいています。SiTest 導入企業様は幅広いユーザ層ですが、42%がEC関連企業様となっております。またEC関連企業様だけでなく、通信業者様や音楽メディアのパイオニアのような企業様も含まれています。
AIと人工知能
図は、「オックスフォード大学によるコンピューターに代替されやすい仕事の一部」です。AI人工知能が取って変わる仕事の10年後、20年後、どのようになっていくかを見てみましょう。
この表に示される多くの職種がコンピューターに将来置き換わり、その職種はなくなると言われています。
昨今ロボットタクシーが話題になっています。これらは自動運転(※1)の延長ですが、タクシーの運転手がいなくなり、ロボットが道案内してくれる時代がやってくると言われています。
人工知能は、防犯、建築現場等の危ない仕事や、介護、農業、物流、原発、
災害などにも役立つと考えられています。
人工知能と機械学習の概要
では、人工知能、機械学習はどういうものでしょうか?
図は、ディープラーニングや人工知能、自然言語処理等について簡単にまとめたものです。
コンピュータサイエンスはシンプルにいうと、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション等、3つか4つの科学で構成され、その中に最近出てきた人工知能があります。それぞれ関係は、上図の通りです。
この図の機械学習というのは、人工知能と同じであり、それらの爆発的な発展により、ビックデータを扱い易くなりました。
顧客エンゲージメントを高めるためには、人工知能、機械学習を理解・活用し、顧客分析を自動的や半自動的に行って、業務解析が必要な時代となっています。
第3次AIブーム
現在は、第3次AIブームの時代です。下図にもありますように、1956年から第1時代に入り、次に第2次AIブームを向かえました。それぞれのブームの間には冬の時代もありました。そして今、第3次AIブームの時代を迎えて一気に広がっています。今話題になっている機械学習、ディープラーニング、シンギュラリティもここに含まれています。
講演では、人工知能であるAlpha Goについても触れられていました。Alpha Goは、グーグル傘下のDeep Mind社によって作成されました。
囲碁は3千万手ほどあるそうで、それらのプロの棋士の手を覚えさせ、機械同士を3千万回以上対戦させることで、様々なパターンが見つかり、勝率が出て来たそうです。それを加えることで欧米のチャンピオンも勝ち、世界チャンピオンに挑戦する段階まできています。(3/13現在、Alpha Goと世界チャンピオンがまさに挑戦している最中で、Alpha Goは3勝1敗です。)
シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉をご存知でしょうか?
ある一定期間人工知能が発達すると、人間の能力を超えるかも知れないと言われています。東京大の松尾豊准教授によれば、90%の確率で30年以内にシンギュラリティが起こると言われています。
では、私達はどうやって人工知能と向き合って行くのでしょうか?
人工知能のフェーズと重要性の図をご覧ください。Level.1〜Level.4の段階があります。
Level.1のマーテティングおいては、単純な制御プログラムがAIと言われていた段階から、Level.2の将棋プログラムのような古典的な人工知能があります。そして、SiTest (サイテスト)は、Level.3に分類されたものとなります。それは、ビックデータをもとに自動的に判断を行うもので、アルゴリズムを利用するものです。例えば、パターン認識、顧客分析、レポーティングもそれに当たります。年内には、SiTest (サイテスト)はディープラーニングを取り入れた製品を目指します。
次回は、続けて企業の課題からとなります。
※注1
本講演内容から外れますが、自動運転において、世界では既に様々な実証実験が行われています。あくまで実証実験上ではありますが、ハンドルから手を離しても大丈夫なような段階にきているようです。例えば、ハンドルを離すと3回警告され、それでもハンドルを握らない場合には、運転手に何かあったと判断され、スピードを落としていき、路肩に止まることもできるようになってきているそうです。(2016.3.11モバイル学会主催シンポジウム「モバイル’16」公開セッション 自動運転社会の実現に向けたHuman Factors研究最前線 – 産総研自動車ヒューマンファクター研究センターの取り組み – より)
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