マーケティングテクノロジフェアセミナーレポート「人工知能による顧客エンゲージメント強化」その2
今回は前回に引き続き、企業の課題と顧客エンゲージメントについて取り上げます。
企業の課題
サイト解析ツールは、どのような状況で導入されるでしょうか?次のような問題点解決においてサイト解析ツールを導入することとなります。
- ・広告などの費用対効果をあげたい
- ・コスト削減
しかしGoogle Analytics に代表されるようなレポート分析など、様々なサイト解析ツールがあります。それらは複雑であるため、使い辛く費用が高い事が多いのです。Web担当者は多忙な方が多く、レポートの作成時間も掛かり、上司に報告するのもとても大変です。ツールを使う環境についても最適化の必要があり、毎月の業務コストが掛かります。Web担当者は、下図の「サイト解析ツール」の問題点にあるような悩みをもつ事となります。
では、これからのサイト解析ツールはどうなっていくでしょうか?
これからのツールは下記の図のように使い易く、時間とコストを節約して、人工知能や機械学習により業務効率を劇的に変えることになるでしょう。
顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントというのは、「愛着と結びつき」、それは顧客満足ではない
もう一歩先のユーザ感情ではと私達は考えております。
まず、以下の図「顧客エンゲージとは」をご覧下さい。
左側の全ての項目は、特に人間が介さなくてもできる作業であり、人工知能で大体を担うところになります。右側は個人的な相互作用で、人間がやるべきところとなります。顧客との対話は必要です。では、どのように強化すると良いのでしょうか?
顧客エンゲージメント強化
エンゲージした顧客はリピーターとなり、愛着を持って口コミを行って下さる顧客となります。そのもっと前に行う事があります。カスタマージャーニーマップを作り、ユーザがどのようにWebサイトに出会い、そして商品を購買し、その後リピーターとなるかを調査する必要があります。最初のファーストポイント、つまり接点は間違いなく最近はWebサイトが多いと考えています。まずは、UI/UXという点において、ユーザの体験やターゲットとなるWebサイトが、顧客にとって魅力を感じる見た目も強化する必要があります。
様々な広告やソーシャルメディア、リスティング広告、DSPも私達は試してみましたが、UXができていないとエンゲージできず、良いLTV (Life Time Value)に繋がらないということがありました。UXを高めるには作業が膨大であり、皆さんもご経験されたことがあると思います。それらをSiTest (サイテスト)で最適化や考え方を整理していきましょう。
エンゲージメントの整理
エンゲージメントレベルの整理という点で考えるに当たって、下図「エンゲージメントレベルの整理」をご覧下さい。
表には低、中、高、最高とあります。低いのは、エンゲージメントが低いという訳ではなく、まずWebサイトのランディングページのキャッチコピーから始まる部分とお考え下さい。最終的に売り上げを上げるにためには、お問い合わせフォームやカショッピングカートまで持って行く必要があります。
低いところから改善して、最高のところまでユーザを遷移させるためのアクションを示しています。サイトの構成と改善アクションがそれぞれ対応しており、例えばキャッチコピーのABテストや閲覧スピードの改善を行うことや画像レイアウトのチェンジなどのテストも行う必要があります。
顧客エンゲージメントのロードマップ
「顧客エンゲージメントのロードマップ」の図を見てみましょう。Who、What、How、Action UI/UXの順となります。
Who:
顧客エンゲージメントを高めるためには、誰に対してセグメンテーションを行うか、ターゲットの市場規模はどうかを調査します。
What:
自社の営業価値や競合の提供価値、顧客の気持ち、そして差別化となります。
How:
キャッチコピーやイメージを作り、レイアウトしてトーン・マナーを考えます。
Action, UI/UX:
そして、最後に解析を行う必要があります。ヒートマップ解析、アクセス解析、クリック解析、スクロール解析、ABテスト等々の解析行うこととなります。これらを解析するのに、膨大な時間が掛かってしまいます。
PDCAサイクルの違い
ここで日本人、アメリカ人、台湾人とそれぞれのPDCAサイクルについて
比べてみましょう。個人的な経験からですがそれぞれ日本人との比較となります。
アメリカ人:意識は同じくらい
韓国:2倍遅い
台湾:100倍遅い
日本人のPDCAサイクルは早いのですが、意思決定サイクルについてはアメリカ人が更に早いという決定的な違いがあります。そのため、PDCAサイクルはアメリカ人の方が早いのです。レポートについては、アメリカ人でさえ5時間掛かります。活用頻度が低く、まだ解析発現の遅い日本では、まる1日か2日かかってしまうのです。
人工知能レポーティングを作ったら、作業効率がとても良くなるのではと開発を勧められたのが切っ掛けで、実際は3年前から開発を始めています。今まで5時間かかったものが1分でできることとなります。
顧客エンゲージメント改善サイクル
6つの改善サイクルとして、下図「顧客エンゲージメント改善サイクル」のようにモデル、計測、分析、設計、エンゲージ、モニターの段階があります。
例えばモデルの段階では、ロードマップの優先の高い顧客に対して問題提起を行います。計測や分析においてはGoogle Analytics、またはAdobe Analytics等、様々なツールがあります。そして弊社のようなヒートマップ等も合わせて設計の段階となります。大体は、この1の段階でKPIを作られるのですが、私達は設計の段階で行います。
顧客とエンゲージするためには、リテンション、LTV、顧客対応、そして従業員教育と違う事を書いているように見えるかもしれません。
Webだけで終わらせるのではなく、最終的には人と人との対応になります。あくまで人工知能は参考であり、ユーザには余った時間は最大限利用して欲しいと考えております。あとはモニタリングですね。
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