人工知能と医者、どちらが信用できる?AI医療の意識調査
以前のエントリ「あなたは人工知能に健康を任せることが出来ますか?」でもご紹介しましたが、人工知能を活用した専門的医療分野における診断は人間の能力を超えようとしています。
医療現場への人工知能の進出と、関わり合いが深いのは医療に携わっている医師だけではありません。
今後、進歩がさらすすめば万が一の際に患者として診断を受けることも起こり得る私たちにも、同様に大きく関与してくる問題です。
今回は利用者の立場から見た、AI医療に対する意識をまとめました。
医療現場でのAI活用について
ジャストシステムの行ったアンケート調査「人工知能(AI)&ロボット活用に対する意識調査【医療編】」によると、医療現場によるAIの活用は
「全面的に賛成する」8.6%に加え「どちらかというと賛成する」が29.5%にのぼり、合わせて38.1%の割合の人がAIからの受療を受け入れることに抵抗がないという結果がでています。
また38.7%の人が「どちらともいえない」、11.9%が「よくわからない」と回答しており、反対意見を持っている層は「どちらかというと反対する」9.9%、「全面的に反対する」1.3%という全体の構成を見ると、明確に反対しているのは10%程度にすぎないということがわかります。
以前のエントリで紹介した「人工知能使っていますか?日米の導入状況をまとめました。」での人工知能の業務活用に消極的な層は15%程度、
「人工知能による自動運転技術が突きつける倫理的ジレンマについて」で自動運転車の購入を躊躇する層は40%近くに達していた事と比べると、AI医療については結構受け入れられやすい要因があるのかもしれません。
AI医療による診断に賛成の意見
賛成する層の意見は極めて解りやすく、医療サービスへの不満や地域格差などの社会問題が人工知能活用によって解消するのではないか、という期待に満ちたものです。
・根拠が明示され結果に納得ができそう 54.8%
・待ち時間のストレスが緩和 46.7%
・治療時間の短縮化 45.3%
・金銭的コストの改善 40.1%
・人手不足の解消 38.2%
・地域格差の解消 33.0%
・間違った診断で不快にならなくて済む 32.5%
上記の回答は医療業界だけに限ったものではなく、人工知能の導入で期待される全てに当てはまる内容ではないでしょうか。
老若男女、だれもが関わりを持たざるを得ない医療サービスだからこそ、特定のサービスへの活用に比べ人工知能が望まれている内容が解りやすく浮き彫りになったと言えます。
一方で反対意見は
誤診についての心配とともに、感情理解についての意見が2位に上がっており、医療は身体だけでなく、心情的なケアも重要だということが伺えます。
・診断に対しての責任の所在が不安 66.1%
・自分の感情や状況を理解してもらえると思えない 62.9%
・誤診が心配 54.8%
・複雑な症例は診断しきれないと思う 53.2%
・自分以外の家族などの感情を理解してもらえると思えない 32.3%
・医師がAIに依存して本来の役割を果たせなくなる 24.2%
・医師が人工知能を使いこなせないと思う 17.7%
初期のチャットボット、ELIZA(イライザ)が人間の思考や感情を理解していなくても来談者中心療法のセラピストを装うことができたことを考えると、意外と上手く患者に寄り添うことができるような気もします。
すでにセラピー用ロボットは高齢者介護の分野ではすでに利用されており、強化学習によりユーザーの名前や行動などを学習して「個性」を形成するものも存在しています。
AIによる医療の将来像
今後、人工知能やロボットの実用化が進み医療の現場がどのように変わると考えてられているのでしょうか
質の高いサービスの普及、医療費の増加という社会問題の改善、誤診・医療の「無駄」の削減ができるという、ポジティブに捉えている層は、そうでないと考えている層よりかなり多いようです。
と同時に、医師や看護師、薬剤師などの専門的な人材が職を失うかも知れないという問題についてもそう考えている割合も高く、医療という極めて専門性の高い職業ですら、AIによるリプレイスの可能性からは逃れることはできないと考えられていることがわかります。
国による支援も
医療・介護の現場で人工知能やロボットを導入し、業務を効率化した場合に診療報酬や介護報酬に反映させようという試みも議論されています。
「予防、健康管理、自立支援に軸足を置いた新しい医療介護システムを2020年までに本格稼働させる」とし、最先端技術を導入した医療機関や施設の報酬を増やし普及を狙います。
政府、AI導入を報酬に反映へ(共同通信47NEWS)
最後に
人工知能の持ち味は、症例・論文参照や画像認識を使った精密検査などの大量なデータを使った診断や処置後の病理診断ですが、さらにもう一つ、先入観を持たずに診断をおこなえることから、個人の経験や常識といったバイアスによる誤診が防げるということがあげられます。
より質の高い診断がスピーディーに行われることは、患者にとってだけでなく医師の方にとっても労働時間の短縮などメリットは大きいでしょう。
また、日本は少子高齢化が危惧されることから、国は開発だけでなくその導入についても積極的に支援していきたいという意図があります。
医療現場での人工知能導入は、医師不足による地方と都市部の格差、医療費問題などの社会問題と、「患者」が受けるサービス(金銭的、身体的、精神的、時間的なストレス)の2つの側面を解決するというインパクトの大きいもので、今後の日本の成長戦略にとって欠かすことのできない領域となっています。
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