人工知能が、ほくろと皮膚がんを見分けられるように?
日本の三大疾病の一つに数えられる「がん」。
ある調査では、男性は2人に1人、女性は2.5人に1人ががんに罹患するというデータも。
しかし、初期の自覚症状がほとんどないため、がんになっていると知らずに病状が悪化し、知らないうちに治療が困難になるケースが多いと言われています。
逆を言えば、「早期発見」できれば、完治させることも可能だということになります。
ファンレターに救われた水泳選手
がんの種類は様々ですが、中でも皮膚がんはほくろと非常に見分けがつきにくく、早期発見が遅れがちです。
ある水泳選手のエピソードを紹介します。
リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したオーストラリアの水泳選手、マック・ホートン選手にある日一通のファンレターが届きました。
そこには、「すぐに皮膚科を受診するべきだ。」という内容が!
その言葉を信じて検査を受けた結果、なんと本人はほくろだと思っていたものが、皮膚がんであるということが発覚したのです。
幸いにもこの皮膚がんは早期の段階であったため、切除し命に別条はありませんでした。
オーストラリアは、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の罹患(りかん)率が世界で最も高く、年間1,500人が皮膚がんで命を落としているというデータもあり、国内紙でも大きく取り上げられました。
国内紙のインタビューの中で、ホートン氏は次のように語っています。
「それ(ほくろ)が変化していくのには気付いていたけれど、何もしていなかった。ファンがチームドクターに知らせてくれたことで、検査をしなければいけないと考えさせられた。」
このように、なかなか自分の判断だけでは受診するまで至らないのかもしれません。
人工知能を活用し、高精度で皮膚がんを検出可能に?
ホートン選手のように、誰かが皮膚がんに気づいて教えてくれるといったケースは極めて稀でしょう。
もっと気軽に、そして正確に皮膚がんがはっけんできるようになれば良いですよね。
米国のスタンフォード大学のアンドレ・エステヴァ氏率いる研究チームは、2017年1月25日に皮膚がんの検出ができる人工知能を発表しました。
Googleの画像診断システム「Inception v3」をベースに、12万9,450枚の皮膚疾患の臨床画像を学習させ、スマートフォンで撮影したものに似た画像から皮膚病変を分類できるアルゴリズムにより皮膚がんかどうかを判断する、というものです。
この研究により、今までは医師の目視に頼るしかなかった皮膚がんの初期の診断を、人工知能が同じ精度でできるのではないか、と期待が高まっています。
人工知能が診断支援?
2017年1月31日、公益財団法人がん研究会、がん研究所、株式会社FRONTEOヘルスケアは、がん個別化医療の提供を目的とした人工知能システムの開発を進めていると発表しました。
今回開発を予定している診断支援システムでは、がん研究会の医師や、FRONTEOヘルスケアが契約する医療専門家によって信頼度が高いと認められた文献をもとに人工知能「kibit」に機械学習をさせています。
そのため、学習に必要なデータが少なく、効率的な学習ができるうえに、計算コストもわずかで実用化されやすい仕組みになっています。
信頼性の高いデータの機械学習により、今後のがん治療の方向性も変わってくるのは間違いありません。
医療と人工知能の今後の課題
人工知能に誤診があった場合に誰が責任をとるのかなど、問題点は数多くあります。
医師の本来業務である診療をAIが担うようになってくると、「どこまでを人間の医師が担当し、どこからAIが担うのか」という線引きも課題となるでしょう。
しかしながら、人工知能のスピーディな診断結果をもとに、医師は患者とのコミュニケーションを深めながら最終決定をしていくなどより良い関係が構築できれば、がんに罹患しても怖くない時代が来るのもそう遠くない未来なのかもしれません。
参考資料
・ 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
・CNN記事「豪水泳選手、胸の不審なほくろ除去 ファンに検査促され」
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35091001.html
・スタンフォード大学ニュース
http://news.stanford.edu/2017/01/25/artificial-intelligence-used-identify-skin-cancer/
・がん研究会とFRONTEOヘルスケア「がんプレシジョン医療」の実現に向けた共同研究を開始
http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1434473&code=2158&ln=ja&disp=simple
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