なぜレコメンドエンジンを搭載したウェブサービスが増えているのか、日本人の消費スタイルから考えてみた。 | SiTest (サイテスト) ブログ

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なぜレコメンドエンジンを搭載したウェブサービスが増えているのか、日本人の消費スタイルから考えてみた。

スマートフォンやタブレットの普及により、生活者の情報接触は多様化し、生活者の消費行動も変化しています。
ウェブはもちろん、ソーシャルネットワーク、モバイルアプリなどで顧客接点が拡大しており、それぞれのチャネルをどのように活用して、いかに効果的に消費者にアプローチするかが重要となっています。人工知能、機械学習を取り入れるサービスが多く登場している中、よく見かけるようになったのが、旅行会社やファッションECサイトなどにレコメンドエンジンを搭載したウェブサービスです。
今回は、レコメンドエンジンを搭載したウェブサービスがなぜ増えているのか、日本人の消費スタイルから考えていきたいと思います。

理由1 日本人の消費スタイルの変化(利便性消費)

消費スタイルの分布をみてみましょう。
NRI の「生活者1万人アンケート」では、消費意識に関する項目への回答傾向から、消費者の消費スタイルを4つに分けています。

(画像元:NRI 「生活者1万人アンケート調査」より)
縦軸は「価格」で、値段を重視するか、横軸は「こだわり」で、自分のお気に入りにこだわるのかで消費者を分けています。
2012年~2015年にかけて、大きく伸びたのが、「利便性消費」スタイルです。
利便性消費とは、価格を気にせず、お気に入りにもこだわらず、らくにものを買いたいというスタイルです。
つまり、「何を買うか」より、いかに手間をかけずにストレスなく購入できるかという考え方に移ってきているといえます。

その要因として、「経済的に余裕ができたが忙しくて消費の際にあれこれ比較して選んでいられない共働き層」が増加したことが、「利便性消費」が伸びていると考えられます。
今後もこうしたトレンドが継続し、共働き世帯が増えていくのであれば、利便性消費はさらなる拡大をみせることが予想されます。

理由2 情報収集疲れ

このような消費スタイルが伸びている2つめの理由としては、情報が錯綜してしまい、どれを買うべきか、そもそも買うべきかと判断を付けにくくなる「情報収集疲れ」があげられます。
選択肢の多さやそれに付随する情報の多さ、そして異なったチャネルから意見の食い違った情報が入ってくるという環境下にいる消費者。
最適な選択肢に徹底的にこだわったり、情報を収集し比較することをあきらめて「らくに買いたい」志向になっていることがわかります。

選択肢を絞り込んでほしい⇒選んですすめてほしい という志向へ

日本の消費者が全体的にらくに買いたいという志向性を強めている現在、そこに着目した提案型のアプローチで消費者の意思決定を支援することが、マーケティング上有効になっています。
この中から選べば間違いないです、これがあなたにぴったりです、というように選択肢を絞り込み提案してもらうことが消費者にとっては非常に心地が良いのです。

(画像元:NRI「生活者年末ネット調査」より)
2013年末と2015年末に実施した「生活者年末ネット調査」において、「販売員やアドバイザーから情報を得る際にどこまで期待するか」という質問に、2013年末には34%の消費者が「自分の希望をおおまかに聞いて、場合に応じたいくつかの選択肢がほしい」と答えていますが、この2年間で「自分の希望をよく聞いて、それに合った商品をひとつだけすすめてほしい」が15%から20%に伸びており、真に求めているものを専門家の目からすすめてほしい、という答えとあわせると実に38%と4割近くの消費者が「選んですすめてほしい」と考えていることが伺えます。

新たな出会いが商品の付加価値につながる

購入者や利用者のニーズをふまえてのおすすめ、アドバイスは従来ではリアル店舗に直接足を運び店員にしてもらうものだという認識が強くありました。
しかし、近年では、インターネット販売でもチャットボットや SNS などのコミュニケーション機能やレコメンドエンジンを取り入れた機能を使いながらサービス提供をすることで、おすすめの精度を高めているケースが見られます。
消費者側としては、誰かに選んですすめてもらい、新しい出会いや発見の楽しみが付加価値となっていると考えられます。

さいごに

利便性消費が増えていることと、情報疲労などの消費意識・価値観の変化の背景により、あれこれチャネルを横断して情報比較するより、出会ったチャネルで購買まで最短なプロセスでたどり着きたい、と考える消費者が増えてきています。
その需要に応えた結果、レコメンド機能を活用したウェブサービスが拡がっていると考えられます。
現在スマートフォンを所持していることが当たり前になっているように、将来、人工知能の活用が広がり、 生活者の消費スタイルがまた変化していくことも考えられます。そのとき、柔軟に消費者のニーズをとらえて自社サービスにも取り入れた企業が、ファンとなる顧客を生み出していくのかもしれません。

参考資料

・「生活者年末ネット調査」からみる3年間の変化
 https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2016/pdf/forum232.pdf
・生活者1万人アンケートにみる日本人の価値観・消費行動の変化
 https://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2015/pdf/forum229.pdf

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