Google I/O, Facebook「 F8 」で発表された AR / VR 。動画コンテンツはウェブマーケティングにどう貢献する?
昨年は、人工知能やロボット、IoT 、FinTech といった技術が注目を集めましたが、VR(仮想現実)や AR(拡張現実)への関心も高まっています。
今年に入ってから、マーケターの注目を集める目玉カンファレンスが立て続けに開催されています。
●今年開催されたカンファレンス
Facebook Developer Conference「F8」 4/18~4/19
Advertising Week Asia 2017 5/31
(Facebook 社 CPO クリス・コックス氏 基調講演 登壇)
Google I/O 2017 5/17~5/19
Amazon
AWS Summit Tokyo 2017 5/30~6/2
Apple
WWDC 2017 6/6
●次回開催予定
Google Cloud Next ’17 6/14~6/15
プロダクトファーストのイメージが強い Apple も、他社のホームアシスタント提供に続いて HomePod の提供を開始するなど、インターネット上では新しい情報の共有で盛り上がっています。
人工知能の機械学習、画像解析の研究開発は昨年から多く発表されていますが、前回と比べると今回は AR や VR という言葉が新たに加わっています。
上記の発表内容から、VR サービスやプラットフォームがいよいよ本格化してきそうな空気を感じます。それぞれの企業が今後どういった形で差別化されていくのかが気になりますよね。
今回のブログは、上記のカンファレンスでの発表内容から、動画コンテンツがウェブマーケティングにどのように貢献するのかを考えてみたいと思います。
各カンファレンスでは様々な人工知能関連の発表がありましたが、今回は特に AR / VR 関連のサービスのみに絞ってお話しいたします。
Google I/O
Google Lens
人工知能の進化が著しい「画像」の分野で、新たに発表されたコンセプトが「Google Lens」です。
Google Lens は人工知能を搭載しており、ユーザが何を見ているのかを理解をして、そこからアクションを取ることをサポートするサービスです。
AR プラットフォーム「Tango」
昨年ついに搭載端末が発売された同社の AR プラットフォーム「Tango」ですが、今回 Google Maps のチームとの連携による新しい機能を発表しました。
VPS は、Visual Positioning Service の略で、画像認識を活用した屋内の位置情報サービスです。衛星を使うのではなく、カメラが周辺の画像情報を解析して位置を把握するというもので、カンファレンスのデモでは、大手ホームセンター Lowe’s の店内でのナビゲーションの様子が紹介されています。
Facebook Advertising Week Asia 2017(AWAsia)
昨年の F8 では、「今後10年間の開発のロードマップ」が初めて公開されましたが、今回はその中身がより具体的になっています。
(画像元:Facebook newsroom 記事より)
AR/ VRの分野をみると、下記の7つが確認できます。
・BCI(Brain-computer Interface)
・モバイル VR
・Oculus Rift
・Oculus Touch
・ソーシャル VR
・スタンドアローン(一体型 HMD)
・AR
モバイル VR
Facebook の講演によると、スマートフォンでの簡易的な AR が急速な広がりを見せていることから、モバイル VR をオープン化することを決定しました。
Google の「Tango」とは違い専用のハードウェアを必要としないため、Facebook に登録している11億人のモバイルユーザーに向けてサービスを展開することが可能となります。
機能は、
・文字などを載せる「情報の表示(Information)」
・Pokemon Go のような「デジタルオブジェクトの表示(Digital Object)」
・顔にフィルターがかけられる「加工(Enhancement)」
の3つです。
ソーシャル VR
さらに「ゲーム以外のもの」として、ソーシャル VR の「VR Spaces」も紹介しています。
Facebook は、テキストによるコミュニケーションからはじまり、今では当たり前となったニュースフィードも無い状態から始まりました。
テキストによるコミュニケーションにはじまり、インスタグラムといった写真によるコミュニケーションを当たり前のものにし、現在は動画によるコミュニケーションの普及に力を入れるなど、段階的に高度な情報、ビジュアルによるコミュニケーション方法を実現しています。そして、動画の次の展開として、360度動画や AR / VR への発展を示唆しています。VR はこれまでの技術にない高いコンテンツクオリティを発揮し、視線の動きや手の動きなどで情報の伝達を可能にすることから、大変期待されている技術です。
Apple WWDC 2017
Apple も、VR コンテンツの制作の場面での活用を想定して、Mac に VR を入れるアップデートをしました。次期 mac OS「High Sierra」で、 米 Valve が運営する ゲーム配信サービスの VR 技術「SteamVR」をサポートすると発表しています。
増える動画コンテンツ、ビジネス展開のカギとは?
インターネットの動画が身近になった要因の一つとしては、YouTube をはじめとする動画配信サービスの機能向上、そしてアップされた動画を拡散する SNS の普及が挙げられます。お気に入りの動画を SNS で共有することで、ブームを起こしやすくなっているのです。
動画コンテンツのパワーを知っているのは、やはり SNS のプラットフォームを提供している Facebook でしょう。なにより、先ほどご紹介した10年間ロードマップに AR / VR がすでに加わっていることからも、今後注力していくべき分野であるということを如実に物語っています。
5/31 ビジネスフォーラム「Advertising Week Asia 2017(AWAsia 2017)」の基調講演に Facebook 社 CPO のクリス・コックス氏が登壇し、将来 Facebook 上でどのようなコミュニケーションが生まれるかについて語りました。
今後、360度動画や AR / VR などの新しい技術を利用することを当たり前にすることで、ユーザーのコミュニケーションのあり方をどう変化させていくのかを考えているようです。そのプラットフォームの変化によって影響を受けるのは、主にそれをビジネスに活用する企業側です。AR / VR 技術を活用したサービスが増えるにしたがって、企業側でもそれを意識した広告やサイトの作成を増やしていくことになりそうです。
動画コンテンツは、ウェブマーケティングにどのように貢献するのか?
企業側の目線でこのウェーブを意識してコンテンツの作成を行うとすると、動画でどうやってコンバージョンさせられるか、がどうしても重要なファクターとなるでしょう。
しかし、基本的に動画は単独でコンバージョンを獲得できるものではなく、ユーザーに気づきや興味を誘引するトリガーのようなものであり、オーディエンスを構築させるためのコンテンツであると考えるのがベターです。その動画を視聴したオーディエンスに対して、コンバージョンを獲得できるようアプローチをかけていくという手法が適切です。
そのためには、動画コンテンツのアトリビューション分析は大きなテーマです。
動画がいかにコンバージョンに貢献したかを評価するには、コンバージョンに至ったオーディエンスを識別し、そのオーディエンスを構築できたのはどのようなストーリーテリングが貢献したからなのか、を明確に分析していくアプローチが大切です。決して、動画を作ったからといってユーザが自然に集まるわけではないのです。
以下、動画を Webサイトに活用する上で意識したい5つのポイントをご紹介します。
1. 臨場感を意識する
テキストや写真だけでは伝わりにくい情報である「空気感」や「音」などを、臨場感を持って伝えることができます。
2.動画で省スペース化
テキストと写真だけで伝えようとするとページ数が増えてしまう場合は、動画で省スペース化ができます。テキストと写真で分解して説明するより、動画一つで分かりやすく説明できる場合があります。
3.動画からサイトへの訪問者拡大を狙う
ユーザーが、YouTube などで得たい情報を動画検索するケースも増えてきました。各業種の専門知識を活かした優良な情報動画を配信することにより、閲覧ユーザーをサイトまで引き込むことができます。
4.サイトの滞在時間を伸ばす
文章だけでは読み飛ばしてしまいそうな内容も、動画でなら見てもらえる可能性が高まります。
2~3分で見られる動画にして、長すぎない動画にします。さらに、ユーザの導線を想定して、画面上部やファーストビューエリアなど、Web サイト内のわかりやすい位置に大きく表示しましょう。
5.動画視聴後のアクションを想定する
動画を視聴した見込み顧客に対し、次にどんな動きをして欲しいのかを予め定めておきましょう。
サービス紹介ページやお問い合わせフォームへのリンクなど、次への導線がないと動画を閲覧後その場ですぐに離脱してしまう可能性があります。Web サイトに訪問したユーザをうまく誘導したり、Facebook ページや Twitter、メールマガジン等で告知を行い、動画からの導線を設けましょう。
Web サイトでじっくり時間をかけて文字を読んでもらうのは難しいことですが、動画は時間をかけて閲覧してくれるかというとそうではありません。動画にした場合でも、長いものを最後まで見てもらうことは簡単なことではないのです。
そういった点からも、ユーザーがサイトにアクセスした時点で再生され、短時間で訴求したい内容や魅力をうまく伝えられる動画の使い方は、広告と連動したキャンペーン型ページやプロモーションページなどでこれから増えて行くと考えられます。文字、写真などの情報に加えて、あくまで「適材適所」で動画を利用していくことをおすすめします。
動画を活用しているサイト事例
広告と連動したランディングページなどで動画が使われているのを見る機会が増えてきました。
動画を使うことでコンバージョンが上がったなどというケースも出てきており、少しでも効果を高めたいキャンペーンサイトやプロモーションサイトでは、動画が不可欠な要素になりつつあります。
しかし、ひとくちに動画活用と言っても使い方は様々です。企画の参考になりそうな、動画を効果的に使ったキャンペーンサイト、プロモーションサイトをいくつかご紹介したいと思います。
アクアクララ
アクアクララ
商品を売る時に、商品自体を訴求するのではなくその商品がある生活を提案するというやり方はよくありますが、ライフスタイルをイメージさせるためには動画が効果的だということがよくわかるサイトです。
ムービーで自宅にあるウォーターサーバーを想像させてから、商品の説明ページにつながる画像が配置されています。説明するのではなく感じさせるサイトという作り方は、購買意欲を高めるのに効果的です。
オロナインH軟膏
「知リ100」として、シリーズで実施されているオロナイン H 軟膏のプロモーションサイトです。
サイトの説明には、以下のように記しています。
「さわるのは特別な体験です。肌でさわることには危険も伴います。ケガしないよう気をつけて、でも、一生に一度はさわってみたい、そんなすてきな体験を収集し紹介していきます。さわるって、冒険。さわる知リ100 Supported by オロナイン H 軟膏」
動画中には商品は出てきませんが、サイトのコンセプトが「さわる」ということ、そして、さわることには危険が伴うという点で商品とうまく結びつけたものになっています。また、サイト内の動画は、SNS でのシェアやいいね!につながっています。
Facebook のいいね!獲得を一つの目的にしているようですが、「Supported by オロナイン H 軟膏」は SNS ユーザーの目線に合わせて、あくまでもコミュニティー形成に徹しています。若年層では知る人が少なくなってしまったことが課題だったオロナインでしたが、あえて商品の詳細を押し出さないことで、自然なブランディングが出来ている動画活用例です。
さいごに
短時間で効果的にオーディエンスを注目させられる動画のポテンシャルは大きく、オーディエンスの関心を得られる良質なコンテンツを提供できれば、見込みの高いファンの増加やコンバージョン率向上にもつながりそうです。
しかしながら、動画フォーマットに頼りすぎると、その効果もいずれ頭打ちになってしまいます。オーディエンスのインサイトを確認してサイト構成の改善を繰り返し、良質なコンテンツを届けていきましょう。
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