コンセプトダイアグラムでウェブサイトをあるべき姿へ
Google Analytics などのツールが普及し、今ではウェブサイトを解析することは当たり前になってきています。
しかし、数値を把握したりその変化を確認したりしても、ウェブサイトの改善までつなげることができている方はほんの一握りです。
「解析ツールを導入した」だけで終わってしまい、結局改善できないこともよくあります。
アクセス解析を行う目的や何を見出すかが充分に決まっていないと、解析を改善へつなげることは至難の業。
解析で得られるデータを有効に活用できないのは非常にもったいないですよね。
そこで、今回は「コンセプトダイアグラム」という解析手法をご紹介します。
コンセプトダイアグラムを駆使することで、ウェブサイトはあなたにとってもユーザーにとっても価値あるものへ生まれ変わります。
まずはその基本的な考え方から学んでいきましょう。
コンセプトダイアグラムでウェブサイトの全体像を設計
コンセプトダイアグラムとは?
「ダイアグラム」という言葉は情報を視覚化した表現手法のことで、分かりやすい例を挙げると棒グラフや円グラフ、地図などが当てはまります。
工学や建築の分野では、青図、回路図、設計図など多様に使われています。
ウェブサイトのマッピング(構造・コンテンツ・ラベルなどの設計)にもダイアグラムは活用されており、これはコンセプトダイアグラムという方法論として知られています。
コンセプトダイアグラムは元々「設計」という意味合いが強かったのですが、この考え方をウェブ解析の世界で著名な清水誠氏が応用し、現在ではアクセス解析手法として用いられるようになりました。
コンセプトダイアグラムでは、ウェブサイトに訪れてから購入するまでのユーザーの一連の行動体験(UX)を心理状況の変化とともに図示します。
これにより、ウェブサイトの全体像を把握することができます。
ウェブサイトに必要なコンテンツが揃っているのか、また自然な流れで購入までたどり着けているかが分かるようになるので、UXの改善に役立ちます。
コンセプトダイアグラム活用のメリット
コンセプトダイアグラムの最大の特徴は、「何が必要か?」という視点でウェブサイトを解析することです。
そもそも解析というものは課題を見つけるために用いると思われがちですが、あくまで解析はウェブサイトの状態を把握するためのものです。
もちろんウェブサイトに課題があるのであれば改善は必要ですし、課題を解決することでウェブサイトはより効果を発揮するでしょう。
しかし、課題を発見するという考え方だけでは今あるページやコンテンツの改善に終始してしまいます。
言い換えれば、今ウェブサイトにないページやコンテンツを増やす施策は生まれにくくなってしまうのです。
コンセプトダイアグラムでは、この足りない視点を補うことができます。
ウェブサイトが抱える明確な課題が分かるというよりも、必要なコンテンツが充分に存在しているか、またユーザーの行動がスムーズに行われているかを判別することに役立ちます。
パズルのピースを埋めるように新たに追加するべき要素を見出すことができますので、現状のコンテンツが抱える課題の発見はできなくともUXの改善に直結します。
コンセプトダイアグラムを、いざ実践!
1.マーケティング全体の大枠からスタート
コンセプトダイアグラムを活用するにあたって、いきなりウェブサイトから考え出してしまってはいけません。
なぜなら、コンセプトダイアグラムは「あなたのウェブサイトに何が必要か?」ということを考えるためにウェブサイト自体の役割から考えていく必要があるからです。
まずはユーザーがあなたの販売する商品を購入したり、提供するサービスに申し込んだりするまでの流れを図示化しましょう。
その中でウェブサイトを含めて各チャネルがそれぞれどのような役割を果たすべきか考えていきます。
ここで重要なのは、ターゲット層を明確化しておくことです。
ユーザーは求めているものや度合いの違いも含めて属性ごとに行動は変わります。
そのため、ペルソナ設計が重要になってきます。
ペルソナの設計方法は以前記事でご紹介していますので、合わせてご参照ください。
ターゲット層が複数存在する場合は、それぞれにコンセプトダイアグラムを作っていく必要がありますので、その点は意識しておいてください。
2.ウェブサイトのコンテンツを考察
マーケティング全体を把握した後は、ウェブサイトに注目してユーザーの動きを図示化していきます。
ウェブサイトに訪れるユーザーの行動順序を分かりやすく図にしていき、そこにウェブサイトの対応コンテンツを書き込んでいきます。
先にウェブサイトのコンテンツを書いてしまうと抜け漏れが生まれてしまいますので、この順番は意識しておきましょう。
参照:http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/09/01/11017
そもそもコンテンツが不足している場合は、この時点で対応コンテンツの必要性を感じることができます。
また、ユーザーの行動順序を考えた時にページの遷移がスムーズでないケースもあります。
UXを分析することはすなわち導線設計を見直すことにつながりますので、少しでも違和感を感じたらそこは改善ポイントになります。
コンテンツの考察はコンセプトダイアグラムの肝になる部分ですので、複数人で話し合いながら図示化していくことをおすすめします。
3.ウェブサイトの仮説検証
全ての解析に通ずることですが、「解析する」=「ウェブサイトが改善される」というわけではありません。
解析した内容をもとに施策を講じ、その結果としてウェブサイトに変化が生まれます。
施策は毎回成果が出るわけではありませんので、時には数値が下がってしまうこともあります。
そのため、仮説検証していくサイクルを回すことが求められます。
先程の例で言うと、導線設計を改善するためにウェブページに新たなリンクを設置してみるという改善施策が思い浮かびます。
まずはリンクを設置した場合に遷移率がどの程度向上するのか計測していきましょう。
遷移率が向上しなかった場合は別の施策を考える、あるいはそもそもこの導線が正しいのか再度見直してください。
上がった場合は次の仮説検証を実施していきます。
より遷移率を向上させるためにリンクの文言をテストしたり、ボタンリンクの色を変更してみたりして、最適化を目指します。
また、遷移したページから成約につなげるための次の導線をテストしていっても良いでしょう。
仮説検証を行うにあたっては、 SiTest のABテスト機能が役立ちます。
テストは何度も繰り返し行うものですので、毎回準備に時間がかかってしまうとテストスピードが落ちてしまい、また労力もかかるため実行に移せない可能性も生じます。
その点 SiTest のABテストであればどなたでも簡単にテスト設定することができ、また準備にかかる時間も短縮できます。
仮説検証サイクルを回すスピードが格段に向上しますので、UXの改善に大いに貢献します。
コンセプトダイアグラムで注意すべきポイント
5W1Hを意識しよう
コンセプトダイアグラムを描いてく際にはいくつか気をつけるべきポイントが存在します。
その1つが「5W1H」を意識しておくことです。
ユーザーの一連の行動体験を図示化する場合、「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を加えておくと非常に分かりやすくなります。
順序立てる上で「When」は外せませんし、「Who」はペルソナ設計につながります。
コンテンツ設計に関わってくる可能性がありますので、常に念頭に入れて図示化していきましょう。
コンセプトダイアグラムは定期的に見直そう
何年も同じコンテンツでユーザーの満足度を維持することは、サービスが多様化している現代ではほぼ不可能に近いと言われています。
ターゲットとするユーザーが変化することもありますし、競合サービスの登場によってより強化するべき箇所が出てくることもあります。
そのため、コンセプトダイアグラムも一度図示化したからといって終わらせずに、定期的に見直すような仕組み化が大切です。
実施する度に見つかる新たな発見が、あなたのウェブサイトをよりよいものに改善するヒントとなるでしょう。
「ウェブサイトの改善=今あるコンテンツの改修」という固定概念は捨てて、コンセプトダイアグラムのように広い視野で解析・改善を進めていってくださいね。
それでは次回をお楽しみに!
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