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HCD(人間中心設計)とは?

HCD(Human Centered Design)とはなんでしょうか?
以前少し取り上げましたが、もう少し詳しく見てみましょう。日本語訳では人間中心設計、つまり人間を中心としたもの作り、設計プロセスです。UCD(User Centered Design)、UXD (User eXperience Design)は、同じことを指しますが、人によっては考え方の違いもあるようです。

HCDは、1999年に制定されたISO13407により広く認知されました。
その目的は、もともとはユーザビリティの確保にありました。ユーザビリティはあくまでゴールの達成、効率性、有効性を追求するものです。

HCDの原則

このISO 13407は、翻訳されてJIS Z 8530としてJIS規格になっています。日本語訳は「人間工学-インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス」です。この規格によれば、「インタラクティブシステムをより人間中心的にすることによって、多くの経済的、社会的利益がもらされる。」
とされています。

HCD (人間中心設計)のプロセス

国際規格 ISO 13407に、HCD (人間中心設計)のプロセスについて記されています。この人間中心設計のプロセスはとてもよく知られている図(JIS Z 8530より)です。よく引用されています。

HCDのプロセス

このプロセスは、コンセプト生成時からシステムの要求事項が満たされるまで続けられます。このプロセスにおいては、様々な手法が用いられています。
(HCD-Net: HCDのプロセス http://www.hcdnet.org/hcd/column/hcd_06.php
より)

利用の状況の把握と明示:
アンケート、インタビュー、フィールド調査/観察、エスノグラフィー等。

ユーザと組織の要求事項の明示:
UML、ペルソナ、ペーパープロトタイピング、シナリオベースドデザイン等。

設計による解決策の作成:
対話の原則(ISO1924-110(JIS X 8520))、対話設計8つの黄金律、各種HCDガイドライン等。

要求事項に対する設計の評価:
HCDチェックリスト、ユーザビリティテスト、ヒューリスティック評価、認知的ウォークスルー、プロトコル解析、操作ロギング等。

弊社においても全く一緒ではありませんが、上記のようなプロセスや手法を取り入れています。

国際規格ISO13407改定によりISO9241-210へ

それでは、ユーザの学びのプロセスやその過程はどうでしょうか?
ソフトウェアでもそうですが、全く始めて操作する場合と、熟練した時とでは使い方も変わってくると考えられます。皆さんもご経験されたことがあると思います。カスタマイズして使うこともありますよね。またその過程において学びやすいか、覚えやすいかも関係してくることでしょう。やはりそこにはユーザがいます。まずはユーザの使い勝手を中心に考えることになります。そのような背景があり、UX (User eXperience)の概念が取り入れられたものです。ユーザビリティから、UXの実現となっていったようです。
国際規格ISO13407の改定により、ISO9241-210 が2010年に制定されます。
ISO9241-210の標題や標題仮訳は、下記の通りです。
(JSA Web Store 企画詳細情報 ISO9241-210:2010より)

標題:
Ergonomics of human-system interaction
— Part 210: Human-centered design for interactive systems

標題仮訳:
人間工学 — 人とシステムのインターラクション – 第210部:対話型システムの人間中心設計

国際規格: ISO9241-210の構成は、以前のブログでも取り上げた通りです。

参考及び引用文献

1.JIS Z 8530 人間工学-インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス

2.JSA Web Store 企画詳細情報 ISO9241-210:2010

3.人机交互論 ユーザビリティエンジニア的HCI論

4.SEのためのUIデザインの教科書 (ソシオメディア 篠原稔和氏,上野学氏 日経BP社)

5.人間の成長とユーザエクスペリエンス(安藤昌也氏 千葉工業大学)

6.日本人間高学会第54回大会 人間中心設計関連標準化動向とその是非
人間中心設計の国際規格ISO9241-210:2010のポイント
安藤昌也氏 千葉工業大学