ごみの分別方法に人工知能が素早く答えてくれるサービスを横浜市が開始 ｜ SiTest (サイテスト) ブログ

日常生活でごく当たり前に行っているごみ出し。
ゴミの種類ごとに分別するとき、これって燃えるごみで出していいのか？と迷いネットで検索するも、市町村によってその分別方法が違い、なかなか答えがみつからない。そういったごみの分別方法に対する質問に人工知能が回答するチャットボットが登場しました。

横浜市資源循環局は、株式会社NTTドコモと共同して、ごみの分別方法に対する質問に対話形式で人工知能が回答する「イーオのごみ分別案内」という実証実験を3月6日から開始しています。

システム上で、イーオというキャラクターに調べたいごみの品目を話しかけると、分別品目や出し方を答え、横浜市の分別検索システム「ミクショナリー」で培った2万語以上に対する分別方法、雑学やクイズなどを案内するチャットボットです。

分別方法をキーワード検索できるアプリは存在していましたが、検索結果の一覧からさらに知りたい情報を探す必要があったなど、回答に辿り着くのに時間がかかるケースがありました。

横浜市のごみの分別方法はかなり細かく、「市で収集するもの」は、「燃やすごみ」「燃えないごみ」「乾電池」「スプレー缶」「缶・びん・ペットボトル」「小さな金属類」「プラスチック製容器包装」「粗大ごみ」「動物の死体」の9種類が存在しています。
そのほか、古紙や古布など「地域で回収するもの」、家電など「市では収集できないもの」に分けられています。

今回実験で使われるシステムには、NTTドコモの「自然対話プラットフォーム」という技術を活用しており、現在蓄積している2万語のキーワードを再構成し、簡単にイーオとの会話から疑問を解消する仕組みになっているので検索結果を探す手間が省けるものとなっています。

こうしたシステム作成に熱心な背景として、ゴミ処理コストの問題があります。
横浜市のごみ処理費用は高額で、さらに他自治体からの転入者数144,000人で、前年と比べて3.7％増えており、分別情報をもっと分かりやすく使いやすいものにする取り組みが進められています。

ごみ分別に悩むのは日本人だけではありません。
日本在住の外国人へのアンケートによると、「日本のゴミ出しのルールで驚いたことや、母国と違う点はありますか?」という質問に対し、
「細か過ぎて面倒くさい」「よくわからない」という意見がでており、日本のゴミ分別方法の複雑さに悩む海外の人も多いようです。

法務省によると、2016年6月における在留外国人数は230万7,388人で、前年末に比べ7万5,199人増えており、日本に暮らす外国人が多くなっています。
そのため、海外の人にゴミ分別に協力してもらうための取り組みも行われています。

韮崎市では、外国人市民の方向けにごみ分別の基本となるごみの捨て方や分別方法などを掲載した「ごみ分別マニュアル」を市のHPでダウンロード出来るようにしています。英語、中国語、ポルトガル語に対応しているマニュアルが発行されています。

最近は海外の爆買いによるゴミ捨て問題も出ているので、オリンピック開催などで長期滞在する海外旅行者に対する受入体勢を整備する必要があります。
今回の横浜市のゴミ分別チャットボットサービスが海外移住者や、日本に訪れる海外旅行者に利用されるようになれば、お互いにとって気持ちよく過ごす事ができるでしょう。

・横浜市　“チャットボット”を活用した「イーオのごみ分別案内」を公開
　http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/top/press/pre170301.pdf
・法務省　平成28年6月末現在における在留外国人数について（確定値）
　http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00060.html
・韮崎市‘Household Garbage Manual’（外国人向けゴミ分別マニュアルの配布のお知らせ）
　https://www.city.nirasaki.lg.jp/docs/2014052200019/
・マイナビニュース「日本のゴミ出しルール、外国人はどう思う? – 「分けすぎ」「環境に優しい」」
　http://news.mynavi.jp/news/2016/04/27/156/