異性ウケを熟知したAIがユーザーに合った商品をレコメンドする時代に ｜ SiTest (サイテスト) ブログ

みなさまは、ネットショッピングをしたことはありますか？
いつでもどこでも、ネットさえつながれば欲しいものを購入出来る、とても便利な時代になりました。
しかし、実際に商品を見られないために、判断がつかず購入しづらいアイテムもありますよね。今回は、特にネットで購入する際にユーザーが躊躇してしまうアイテムをECサイトで扱いたいという課題に対し、AIを活用しユーザーの購買体験向上に挑戦しているサービスについてご紹介します。

近年は、ECサイト利用者の増加に伴い、質感やサイズ感、素材がわかるような写真や動画を掲載するなど、サイト側も工夫しているのが当たり前になってきています。
実際に多くのECサイトが写真の数を多くし、サイズも詳細に記載していますが、質感や触感をはじめとした詳細まで伝えるのは至難の業です。
いかに「どんなものか、を買い手に想像させるか」が、ものを売るときのポイントのひとつだと言えます。
そこで、ECサイトの商品選びにAIがユーザーに似合っているか判定するサービスが登場しています。

株式会社ジェイアイエヌは、「JINS BRAIN」というサービスを提供しています。このサービスでは、メガネの試着画像に対してAIが似合っているかを判定してくれます。

メガネは、顔の印象が変わりやすい商品のため、ある意味「失敗出来ないアイテム」とも言えます。
そのハードルを下げるための挑戦として、このサービスは誕生しました。

2016年3月には、メガネの3D試着サービス「JINS VIRTUAL-FIT（バーチャルフィット）」をオンラインショップにてスタートしていました。
しかしながら、このサービスでは顔型をベースにした簡易的な判定にとどまっていました。
ユーザー満足度のさらなる向上を目指し2016年11月に提供を開始したのが、今回ご紹介する「JINS BRAIN」です。

まず、約200タイプのメガネを数百人が装着した計6万点にものぼる画像をクラウド上に用意し、国内300超の店舗に所属するJINSスタッフ約3,000人が「似合う」「似合わない」を評価します。
日頃から店頭でお客様に“お似合い”のメガネを薦めているスタッフの目利き力を結集させた膨大な画像評価データをコンピューターが機械学習することで、JINSオリジナルAIによるレコメンドサービスを完成させました。

このサービスの面白いところは、そのAIが男性脳と女性脳の2種類に分かれているところです。
試着したメガネが似合っているかを男女別で判定されるため、異性ウケのいいものを選びたい人にもうってつけのサービスです。

機械学習は、一定のデータをコンピュータ・プログラムに「学習」させ（そのデータに潜むパターンや規則性を表す「モデル」を自動的に構築させ）、他のデータにそのモデルを適用させることで、あたかも人間のように複雑で柔軟な判断が行えるようにするというものです。

詳しくはこちらのブログもご覧ください：機械学習（Machine Learning）とは？非エンジニアが振り返ってみた。

Test My Brain というウェブサイトをご存知でしょうか。
人々が科学に取り組み、自分自身について学ぶための測定ツールを提供することに専念する非営利の研究プロジェクトです。
サイトを訪れたユーザーは、あらかじめ用意されている問題に答え、自分の脳をテストできます。

ノートルダム大学のメル・マクカリー研究チームがこのサイトを利用して、参加者によるデータベースを集め、AIが人間と同じ判断をするのかという実験を検証した話があります。結果はAIが人間とほぼ同じ判定をしました。

この研究も、先ほど述べた「JINS BRAIN」も人間と機械のシナジーから生まれています。正確な情報を学習させることでAIの精度は増し、マーケティングや医療分野でも活躍することが期待されています。

機械学習によって、私達の購買行動にも多くの変化が起きています。
これからのECサイトには、ユーザーの購買体験向上のためにAIが導入されているのが当たり前という時代がもうそこまで来ているのかもしれません。

・JINS BRAIN
　https://brain.jins.com/
・Test My Brain HP
　http://www.testmybrain.org/
・ノートルダム大学　深層学習による第一印象の予測
　https://arxiv.org/abs/1610.08119