Google、Amazon、Apple の人工知能開発の発表・活動をおさらいしてみた(2016年~2017年)
ここ数年間、コンピュータによる自動化が大きく進化している中で、その自動化技術には人工知能の研究が深く関わっています。
また、画像認識技術においても目覚ましく進歩し、将棋や囲碁での成果や自動運転実験のニュースによって世間一般からも注目を浴びています。
人工知能の研究は古くから取り組まれてきたものでもあります。
1960年代から人工知能の研究開発は本格化し、現在の人工知能の応用分野は、質問応答、自動運転、画像認識、音声認識、次世代産業用ロボット、パーソナルロボットなど多岐にわたります。
2016年9月、「AIにおけるベストプラクティス策定、AI の理解促進や AI 技術が人間・社会に与えている影響の審議を促すプラットホーム」という目的で設立された「Partnership on AI」。
Facebook、Amazon、Google、IBM、Microsoft の5社が立ち上げたことで世界中で大きなニュースとなりました。現在は Apple も加入しています。
そこで今回は、Amazon、Google、Apple の3社を取り上げ、それぞれの2016年頃から最近までの人工知能関連の研究開発の発表、活動について簡単にまとめてみました。
Google:DeepMind
音声パーソナルアシスタント機能の「GoogleNow」を Android OS のスマートフォンで稼働させています。
そして、Google が2014年1月に買収した「DeepMind」。
これは Google の人工知能開発活動について語るには外すことのできない存在です。「DeepMind」の特徴は人間の短期記憶と同じ働きで、外部から取得したアルゴリズムやデータを記憶して未知の作業に再利用できる点にあります。
Google 人工知能開発 年表
2016年2月
センサーでとらえた情報を人工知能の手法で解析して
安全な走行路を判定する自動車運転を開発
2016年2月
Cloud Vision API の公開ベータを発表
2016年3月
Googleの子会社 DeepMind が開発した囲碁コンピュータプログラム「Alpha GO」が、
囲碁のトップ棋士 李九段との5番勝負に4勝1敗で勝利
2016年5月
「Google I/O 2016」で家庭用音声認識デバイス「Google Home」と、
AI 技術を活用した新サービス「Google Assistant」チャットアプリ「Allo」を発表。
2016年9月
Facebook、Amazon、Google、IBM、Microsoft 5社による AI 開発の提携
「Partnership on AI」を発表。(2017年1月27日に Apple 加入)
2016年10月
Pixel スマートフォンを公開。IBM、AMD、NVIDIA などがより高速な
汎用インターコネクト「OpenC API」発表。
2017年4月
AutoDraw 公開
2017年5月
Google I/O で画像認識 「Google lens」
2017年5月
「Alpha GO」が引退。今後は特定眼疾患の検出精度向上や電力の需給調整に活用予定
(関連記事:日本経済新聞:囲碁AI、人間圧倒し「引退」 医療・エネに応用へ )
Amazon:AWS
2015年、IoT プラットフォーム開発企業である 21 emetry の買収により、IoT 戦略において強化することを発表しました。Amazon は2014年11月に音声アシスタント機能を搭載したスピーカー「Amazon Echo」を発表しています。
7つのマイクからユーザーの声を特定し、室内であればかなり離れたところからでも音声が拾えますし、外出先の雑踏からでも認識可能です。Amazon を活用したショッピングリストの作成はもちろん、日々のニュース、天気、交通情報も手軽に手に入り、アラーム、タイマー機能、スケジュールの機能も備えています。スマートフォン時代のタッチインターフェイスの次は、IoT 時代の「音声インターフェイス」になるとの考えから、サービスとしての音声認識と画像認識に力を入れています。
Amazon 人工知能開発 年表
2016年11月
・Amazon Web Services の Amazon Lex、Amazon Polly、Amazon Rekognition 発表
(関連記事:Amazon Web Services、新たな3つの Amazon AI サービスを発表 )
・Amazon Go サービス発表
(関連記事:Eコマースだけじゃない。Amazonの人工知能開発まとめ。)
2017年3月
AI 音声アシスタント「Alexa」が、 Amazon スマホアプリで使えるように
Apple
発話解析音声アシスタントアプリ「Siri」を開発し実用化しています。音声認識・自動言語処理を用いて、iPhone に向かって話しかけるだけで、質問に答えたりウェブサービスやアプリを利用することができます。
Apple 人工知能開発 年表
2017年1月
1月27日 「Partnership on AI」 に加入
2017年予定
AI チップ 「Apple Neural Engine」開発
Apple にとって大きな決断となったのが、やはり、 Siri の責任者を務める Tom Gruber が同団体の役員に就任します。
Gruber は Siri の共同創業者で、Apple が2010年に Siri を買収した以降も同事業の責任者を務めています。Gruber は、Partnership on AI のサイト上で次のようにコメントしました。
「テクノロジー業界が一丸となって機械学習と 人工知能の研究や課題解決に取り組むことは、Apple や顧客、さらには業界全体の発展にとって有益なことだと確信しています。団体のメンバーと協力して、AI研究の推進と顧客のプライバシーと安全の保護に取り組むことを楽しみにしています。」
(参考:BOARD OF DIRECTORS)
Apple が Partnership on AI への加入が遅くなった理由
これまで、人工知能を含むコンピュータ・サイエンスは、企業の枠を超えた産学連携によって大きな発展を遂げてきており、秘密主義を貫く Apple には批判が集まっていました。Apple にとっても負の影響は大きく、優秀な人材を競合に奪われ、AI アシスタントの普及では Amazon や Google の後塵を拝しているのいが現状です。現在、AI 処理を行うための専用チップの開発に着手しているとのことで、社内コードで「Apple Neural Engine」と呼ばれている新型チップを開発し、顔認識や音声認識などさらに高い人工知能機能を端末に搭載することを狙っていることが伺えます。
まとめ
3社の人工知能関連の研究発表について取り上げさせていただきました。
Amazon:画像認識の精度向上と、音声認識インターフェイスの浸透を拡大。
Apple:Partnership on AI に加入後、言語認識の精度を上げた音声認識サービスの向上とプライバシーの保護に注力。
といったように、おなじ人工知能の研究と言っても、それぞれ注力するテーマのカラーが違うことが分かります。
音声認識では、Apple 端末には音声アシスタント機能の Siri が2011年から搭載されてきましたが、その後に Google や Microsoft、Amazon なども AI を用いた音声アシスタント機能の開発を進めており、Amazon の 「Amazon Echo」や、Google の「Google Home」など、音声アシスタント機能を搭載したスピーカー端末が発売されてきています。
Google Home は日本では年内発売予定と発表されており、 Amazon はまだ正式に発表はされていませんが、近いうちに日本国内にも進出してくることが予想されます。「人類社会と調和した人工知能の発展に資する開かれた研究開発コミュニティー」の形成に向けて、必要に応じて連携しつつオープンな人工知能技術の活動をより一層強く進めていく彼らの展開に、今後も目が離せません。
参考資料
・Google.ai
https://ai.google/
・人工知能の技術戦略策定に向けて
http://www.nedo.go.jp/content/100764487.pdf
・Partnership on AI
https://www.partnershiponai.org/2017/01/partnership-ai-update/)
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