効果的なABテストでECサイトを改善する3つのポイント
以前、一枚もののランディングページでのABテスト方法を解説しましたが、一方で、ECサイトなどの多くのページで構成されるウェブサイトにおけるABテストは少しばかり、注意するべきポイントが異なります。
今回はECサイトでどの様にABテストを行っていくかについて解説いたします。
目次
効果的なABテストでECサイトを改善する3つのポイント
冒頭でも記載しましたが、ECサイトは通常のランディングページとは取り扱いが異なります。
ECサイトでABテストを行う際は、以下の3つのポイントを特に意識してください。
改善に適したページを判断する
ランディングページの改善と違い、ウェブサイトはページが複数あるので、まずはどのページを改善するかを決めます。
改善するページは簡単で、二つのグラフを使うことで簡単にわかります。
使用するグラフは以下の2つです。
ページの訪問数 × コンバージョン率 × コンバージョン数を示すバブルチャート
1つ目は、アクセス解析では鉄板のバブルチャートです。
X軸にページ訪問数、Y軸にページ単位のコンバージョン率、Z軸にページ単位のコンバージョン数を設定したバブルチャートを作成することで、以下の2つを定量的に判断することができます。
実際のグラフが以下です。
上記グラフの右下に位置するページは「アクセス数が多いものの、コンバージョン率が低い」ページです。
これらのページはもともとアクセス数が多いため、コンバージョン率を高めたときのインパクトがほかのページより大きいです。
ABテストなどの改善施策を積極的に行っていくべきページです。
一方、左上にあるページは「アクセス数は少ないが、コンバージョン率が高いページ」です。
これらのページは、このページを経由しているユーザーはコンバージョン率が高いと判断できるので、積極的にアクセスを誘導していくことでコンバージョン数の増加が見込めます。
「コンバージョン率 × ページの価値」を示す組み合わせグラフ
2つ目のこのグラフは、前述したバブルチャートを補足するデータとなります。
バブルチャートではコンバージョン率が高いかどうかはわかるのですが、「どれくらいの売上に貢献しているのかどうか」というECサイトにとって重要な指標が考慮されていません。
そこで、売上ベースでのパフォーマンスを確認するためにこのグラフを用います。
実際のグラフが以下になります。
見てみると、コンバージョン率が高くても、ページの価値が低い=売り上げに貢献していないページがいくつかあります。
これらは、アップセルの要素を加えるなどの改善が必要な場合があります。
一方で、コンバージョン率が低いページでも売上が高いページがあったりします。
このようなページなら、コンバージョン率が低くても積極的な誘導がビジネス全体にとっては有効である場合があります。
上記のグラフから、改善の方針が決まります。
とにかく UI/UX の改善に注力する
ポイントの二つ目、UI/UX の改善です。
ECサイトは基本的には複数の商品を取り扱っていると思います。
ユーザーは多くの場合、複数の各商品ページを閲覧し、その中から自分が欲しいと思う商品を購入するのです。
つまり、ECサイトではサイト内の回遊がしやすいかどうかが肝になります。
ユーザーにサイト内でいろんな商品を比較検討してもらう必要があるのですが、操作性が悪かったり、ページの内容が分かりづらかったりすると、本当は買ってもらえたかもしれない商品のページにアクセスする前に離脱されてしまいます。
例えば、以下のような部分をチェックしてみてください。
サイト設計はリピーターを意識する
3つ目のポイントは、リピーターについてです。
ECサイトに限らずですが、常に同じパフォーマンスで新規顧客を獲得していくことには限界がありますので、一度購入してくれたお客さんにリピートしてもらわなければ長期的な売上に結び付けられません。
ECサイトでは、特にこの部分が重要になるのでリピーターフレンドリーなサイト設計を心がけましょう。
リピーター向けの施策は、リマインドメールやリターゲティング広告などサイト外の施策と考えられがちですが、回遊率や快適に閲覧できるように整備することでリピート率も改善します。
ECサイトで実施するABテスト例
ECサイトのABテストといっても、基本的な部分は大きく変わりません。
効果的なテスト実施ポイントは「ファーストビュー」「CTA」「フォーム」の3つですが、ECサイト特有の改善ポイントもあります。
この章では、前述したECサイトを改善する際のポイントを踏まえて、どのようなABテストが実施できるのか、いくつか例をご紹介します。
バナーの効果検証をする
ECサイトでは、多くの特集ページや、そのページへ誘導するバナーが設置されている場合があります。
しかし、そのバナーは本当に売上向上に貢献しているのでしょうか?
バナーの削除や、CVR・ページの価値が高いページへ誘導するバナーへの変更などによって、効果検証しましょう。
バナーは縦に幅をとる場合もありますので、視認性改善につながる可能性もあります。
CTAのデザインを変更する
UI/UXを改善しましょう。
商品詳細ページにあるボタンや、文言はユーザーのためになっているのか再確認しましょう。
商品詳細ページのレイアウトを変更する
商品詳細ページはとても重要です。
ユーザーの多くは商品詳細ページ間を行き来してサイト内を回遊します。
ページ遷移が発生しやすいレイアウトになっているかどうか、ユーザーの欲しい情報が上部にあるかどうかを確認しましょう。
商品詳細ページに紹介動画を追加する
動画の重要性は増しています。
商品によっては、静止画だけでなく実際の使用シーンなどを動画で紹介することで商品購入率が改善する場合もあります。
まだ、動画自体の訴求やデザインもABテストしてみるのもオススメです。
ECサイトでABテストを実施するときの留意点
ECサイトの効果検証はすこし難しく、いくつか注意しておくべき点がありますので、2つご紹介します。
既存ユーザーにとって、リニューアルは戸惑いになることもある
前述したように、ECサイトではリピーターで売上を維持していくビジネスモデルですが、サイトのリニューアルによって既存ユーザーが慣れ親しんでいるデザインから変更されます。
仮に操作性が改善されたとしても「これまでと違う」「慣れている前の方が良かった」ということでエンゲージメント率が減少してしまい短期的には成果が落ちるケースがあります。
そのため、ECサイトでのABテストやリニューアルの効果検証は短期的ではなく、なるべく長期的に見る必要があります。
最初は成果が下がっても、ユーザーが新しいデザインに慣れてくると成果が上がってくる場合もあります。
BtoCのECサイトであれば、ユーザーテストなどでリニューアル後の操作性などを確認するのも良いでしょう。
ユーザーが実際にサイトを体験して、どのように感じたのかをフィードバックしてもらうことで、よりリアルな情報を知ることができます。
また、一部のサイト解析ツールには録画再生機能という、サイト上での動きを録画し動画で分析する機能があり、疑似的にユーザー行動を追体験することもできます。
トレンドなどの季節要因が大きい
ECサイトはその時のトレンドや、利用者の属性などによって成果が変動しやすいため「以前のABテストでは成果が上がっていたのに直近の成果が悪くなっている」ということやその逆も起こりえます。
ABテストの数値結果はあくまで参考値として受け止めるのが良いです。
ABテストの役割としては「仮説に対して、どのような結果が得られたのか」という定性的な理解が主となり、テストパターンでどのようにユーザー行動が変わったのかヒートマップで分析するなどがサイト改善につながります。
ABテスト結果をどのように理解するかについては、以下の記事でも書いていますので、気になる方は読んでみてください。
さいごに
本記事では、ECサイトでABテストを実施する際のポイントと留意点をご紹介しました。
一枚もののランディングページとは異なり、ECサイトでは意識するべき指標や要素が多くなる傾向にあります。
必要な指標がなんなのか、ユーザーが注目している要素は何なのかを考えて改善に取り組みましょう。
48万サイトに導入されたサイト解析改善ツール SiTest(サイテスト)
弊社では解析から改善までオールインワンでできるウェブサイト解析改善ツール SiTest (サイテスト)を開発、販売しています。
SiTest はヒートマップ解析、ABテスト、EFO(エントリーフォーム最適化)の機能をそろえており、解析から改善までのサイクルを効率よく回すことができます。
-
お問い合わせ
SiTest の導入検討や
他社ツールとの違い・比較について
弊社のプロフェッショナルが
喜んでサポートいたします。 -
コンサルティング
ヒートマップの活用、ABテストの実施や
フォームの改善でお困りの方は、
弊社のプロフェッショナルが
コンサルティングいたします。
今すぐお気軽にご相談ください。
今すぐお気軽に
ご相談ください。
(平日 10:00~19:00)
今すぐお気軽に
ご相談ください。
0120-315-465
(平日 10:00~19:00)
グラッドキューブは
「ISMS認証」を取得しています。
認証範囲:
インターネットマーケティング支援事業、インターネットASPサービスの提供、コンテンツメディア事業
「ISMS認証」とは、財団法人・日本情報処理開発協会が定めた企業の情報情報セキュリティマネジメントシステムの評価制度です。