Google アナリティクス 4(GA4)の指標の定義 UA との数値の違いも解説
ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)の計測停止発表に伴って、Google アナリティクス 4(以下、 GA4 )への切り替えを検討されている方もいらっしゃるかと思います。GA4は従来のUAとは計測の方法が異なるため、個々の指標の定義も違う、全く別のツールであるといえます。本記事では、混乱しがちなセッション・ユーザー・ヒットなどの定義と、UAからどう変わったのか、違いを解説いたします。
目次
GA4とUAでの計測の違いをおさらい
前述のとおり、GA4は従来のUAとは計測の方法が異なっています。
ユーザーのウェブサイト上、またはアプリ内での行動は、ユニバーサルアナリティクスではセッションベースで計測されていました。GA4 ではイベントを中心とした計測方法に代わっています。
これにより、従来からあるセッション・ユーザー・ヒットといった指標の定義も変化しています。
「セッション」の定義の変化
ユーザーがウェブサイトに「一回訪問」したことを示す指標が「セッション」です。
「セッション」の定義はGA4になって大幅に変わっています。
UAではセッションは個別の独立した指標でしたが、GA4では、セッション開始時にイベント「session_start」が計測され、「session_start」のイベント数がセッション数としてカウントされます。
セッションが切れるタイミング
GA4とUAではセッションが切れるタイミングが異なっています。
操作がなかったときにセッションが切れる間隔
UA | デフォルト30分(1分~4時間で変更可能) |
GA4 | デフォルト30分(5分~7時間55分で変更可能) |
途中で参照元が変わった場合のセッション
UA | 別セッションとしてカウント |
GA4 | 同一セッションとしてカウント |
途中で参照元が変わった場合のセッション
UA | セッションとしてカウント |
GA4 | 同一セッションとしてカウント |
GA4では、UAと異なり、参照元情報が変わったり、日付が変わったりしても、30分以内に再訪問があれば1つのセッションと見なします。
よって、GA4とUAで並行して計測している場合には、GA4の方がUAよりもセッション数が少なくなる傾向が見られます。
異なるデータストリームをまたいでページ遷移したときや、異なるドメイン間を遷移したときには別セッションとなります。
(異なるドメイン間の遷移を同じセッションとして計測するには、クロスドメイン設定が必要です。)
セッションの長さ
GA4ではセッションの長さの定義も変わっています。
UA | 最初のページを表示した時間と最後のページを表示した時間の差 |
GA4 | 「session_start」のイベント発生時間と最後のイベント発生時間との差 |
UAでは最後のページを表示した時間がセッションの終了時間となり、最後のページの閲覧時間は含まれていませんでしたが、
GA4では最後のイベント発生時間との差をセッションの長さとしており、ページ表示以外でもイベントが発生していれば、その時間をセッションの最後として扱うため、UAよりセッション時間が長くなる傾向にあるといえます。
日をまたいだデータの処理
日をまたいだデータがどのように処理されるかも変更されています。
UA | 前日の終了から4時間以内に届いたデータを処理する |
GA4 | 前日の終了から72時間以内に届いたデータを処理する |
GA4でのセッション数が多くなったり、処理対象期間である 72 時間で数値が変動することがあります。
「ユーザー」の定義の変化
「ユーザー」の種類
GA4では複数の「ユーザー」に関連する指標があります。
▼合計ユーザー数・・・UAでの「ユーザー」と同等で、その期間のユーザーの合計数をあらわします。イベントをトリガーしたユニーク ユーザーの合計数です。
▼アクティブ ユーザー・・・特定のイベントが1回以上発生したユニークユーザー数です。ウェブサイトの場合、「first_visit イベントまたは engagement_time_msec パラメータ」の情報が収集されると、アクティブ ユーザーとして認識されます。
▼新規ユーザー・・・初めてサイトを利用した(過去のセッションが0である)ユーザー数。first_open イベントによってトリガーされます。
▼リピーター・・・過去にセッションを 1 回以上開始したユーザー数です。
ウェブサイトへの再アクセスの頻度によっては、UA の「合計ユーザー数」指標と GA4 の「アクティブ ユーザー」指標はほぼ同じ数値になることがあります。
ユーザーの識別方法
UAでは、ビューの設定によってユーザーの識別方法が異なります。
UAでの ユーザー識別方法 |
①クライアントID(デバイス)のみでユーザーを識別(デフォルトのビュー) ②User IDでユーザーを識別(ユーザーIDビュー) |
GA4での ユーザー識別方法 |
①User ID、Googleシグナル別、次にデバイス(クライアントID)別でユーザーを識別 ②User-ID とデバイスによってユーザーを識別 ③デバイスのみでユーザーを識別 |
※Googleシグナルは、Googleのサービスを利用しているユーザーの行動を元に、クロスデバイスでユーザーを特定する技術のです。 Googleアカウントを持つユーザーの情報を用いて、アプリやウェブに分かれたユーザーの行動を同じ個人のデータとして特定することができます。
User IDの値は、ユーザーがWebサイトやアプリへログインした時に付与されるIDを使うのが一般的です。つまりUser IDビューは主にログイン機能があるWebサイトやアプリで利用可能です。
UAとGA4でユーザー数が異なる場合は、どういった設定でユーザーを識別しているか見直し、意図した通りにレポーティングできているか、確認することをおすすめします。
GA4のユーザー識別を設定する方法
GA4のユーザー識別は、[管理] > [デフォルトのレポートID] で設定できます。GA4作成時のユーザー識別のデフォルト設定は、[User ID、デバイス別]です。
Googleシグナルを有効化し、データ収集にGoogleシグナルが利用されるようになると、[User ID、Googleシグナル別、次にデバイス別]でユーザーが識別されるようになります。
「ヒット」の定義の変化
アクセス解析において、ヒット数とは、ページのデータがリクエストされた回数のことを指します。UAでは、標準の計測タグを導入した場合、Google アナリティクス上に送信される「ヒット」は、「ページビュー」のみでした。GA4ではデータの計測方法が異なるため、ヒットの定義も異なります。
ヒットタイプの変化
UAで「ヒット」として計測していたデータは、GA4ではすべて「イベント」として計測されます。
UA | ヒットはページビュー、スクリーンビュー(アプリ)、イベント、トランザクション等に分かれており、それぞれのレポートに表示される。 |
GA4 | ヒットは全て「イベント」に統一、イベントに紐づくイベントパラメータ、ユーザー単位のユーザープロパティで計測する。 |
GA4ではアプリとウェブのイベントを同一の計測方法で計測しているため、同一のプロパティで計測し、集計できます。
ヒット数には「ページビュー」「(自身で実装したカスタムの)イベント」の2つが主な計算根拠となっており、これらの総和でヒット数を試算することがほとんどです。
このうち「イベント」については自身で実装しない限り送信されないので、イベントトラッキングを行っていないサイトでは「ページビュー数」=「ヒット数」でした。
GA4では、「セッションの開始」「新規ユーザーの計測開始」のほか、「スクロール」「エンゲージメント」「離脱リンクのクリック」などがイベントとして計測され、UAではヒット数にカウントされなかったものがヒット数にカウントされます。
さいごに
本記事では、GA4 における各指標の定義を、UAと比較して解説しました。
計測の仕組みが違うため、各指標がUAから変化しています。
公式ヘルプなども随時確認するなど、正しい理解が必要です。
参考:[UA→GA4] 指標の比較 – アナリティクス ヘルプ
当社では現役の Web コンサルタント・Web アナリストによる「 Google アナリティクス 4 (GA4) 設定・移行支援」サービスを提供しております。
本記事で解説したコンバージョンの設定を含めた初期設定から、Googleデータポータルを利用したKPIダッシュボードの構築、アクセス解析によるコンバージョン率改善支援などを行っています。
GA4 のイベント設定は一つ一つ手動で行っていく必要があり、多くの人的・時間的リソースを使用します。
操作に慣れている代理店やコンサルティング会社に設定を依頼するのもひとつの方法です。
「設定方法が分からない」「社内リソースが足りない」「運用まで任せたい」などのお悩みがある方は、是非お気軽にご相談ください。
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