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EC サイト運用担当者が読んでおきたいマーケティング本「EC サイト「4モデル式」戦略マーケティング」

インターネット市場が拡大するにつれて、ショッピングサイトを利用するユーザーも増えてきました。ユーザーは何を求めて EC サイトに訪問するのでしょうか。
商品や販売形態によってユーザーが求めている価値は異なります。
今回は、ウォンツとニーズの特性などを軸にして、EC サイト4モデルの基本改善案について解説しているマーケティング本「EC サイト「4モデル式」戦略マーケティング」をご紹介いたします。

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商品の特性:サイトリピートと商品リピート


同じ商品でも初めて購入する場合とリピート購入する場合では、その購買行動は変わります。

例えば、ペンを購入する場合、過去に楽天ショッピングサイトで購入した事がある人の多くは、次も同じ楽天ショッピングサイトを利用するでしょう。
なぜなら、どこで購入してもペンは同じ商品だからです。
同じ商品を買うならば、価格が安くて、納期が早く、使い勝手のよいサイトで購入することが想定できます。
これを「サイトリピート」と筆者は名付けています。

似たようなかたちで、筆者は「単品リピート購入」という商品購入モデルと分類しています。
例えば、お水や、化粧品、サプリメントといった定期的に購入することの多い商品です。
他のメーカーの商品に乗り換えたりしなければ、在庫がなくなった時点で再び購入するためにサイトを訪問する可能性が高いです。
この場合は、商品の比較検討はされにくく、単純に同じ商品をリピート購入します。

サイトではなく、欲しいアイテムを検討して決める「商品リピート」商品購入モデルもあります。
ナイキの限定シューズをアパレル EC サイトで購入した人が、再びその EC サイトで別のファッションアイテムを購入するでしょうか。
ファッションアイテムはサイトによって取り扱い商品が異なるため、買う場所を選ぶというよりも、商品自体を選び、その商品を取り扱っているサイトで購入します。
初めて購入するときと同じように、検索、リンクやメルマガ、雑誌に掲載されている URL など、広く検討します。

●上記まとめ
 ⇒サイトリピート(単品):同じ商品を買うなら、初回購入と同じ「サイト」で購入
 ⇒商品リピート(多品):サイトを選ぶというよりも、欲しい「アイテム」を選ぶ

ウォンツとニーズについて

消費者行動には、AIDMA や AISAS などの消費者行動モデルが挙げられますが、ウォンツとニーズの視点から考えてみます。
ニーズもウォンツもどちらも日本語では欲求を表す言葉ですが、その度合いが異なります。

ニーズ:必要性を感じているが、何が必要かは明確ではない状態=欠乏を充足したい欲求
ウォンツ:欲求を満たすために何が欲しいかがはっきりしている状態=獲得欲求

簡単にいうと、潜在的にニーズがあり、その充足方法を具体的にしたのがウォンツです。
ニーズは、検索時点では強い購買意欲がないので、サイト訪問後に購買意欲を高められるかどうかが重要です。

4つのモデルに当てはめる

上記のリピートの特性とニーズ&ウォンツの2軸のマトリクスにすると、以下のようになります。

1.指名買い型(単品×ウォンツ)

購買意欲の高い人を検索エンジンから誘導して、求めている商品をまっすぐに提示します。
まず SEO を強くするのは絶対的に大事です。消費者は他の商品とあまり比べたりしないので、検索上位にあるほど優位です。

(施策ポイント)
・SEO に力を入れる
・安さと即日対応

2.単品リピート型(単品×ニーズ)

メーカーの自社商品販売や、専門小売店などがここに入ります。(化粧品・健康食品・石鹸・など)
「検討商品」⇒「すぐ買いたい商品」へ購買意欲を上げていく施策を取る必要があります。
2回目以降に利用するリピーターはスムーズに進みやすいので、初めて来た消費者にどれだけ対策を練れるかが勝負です。
コンテンツ力を高めて、類似商品を販売する競合との違いを見せましょう。

(施策ポイント)
・初めて来た購入者向け対策が重要
・サイトのコンテンツやデザインを工夫する
・お試し商品の販売、おまけをつける
・メルマガを使う

3.カテゴリーキラー型(多品×ウォンツ)

カテゴリーキラー型とは、あるカテゴリの販売においては品揃えが豊富である専門ショップのような業態を言います。
このグループは Amazon をイメージして頂くと分かりやすいと思います。
このグループは、買った商品と違うカテゴリーのリピート客がポイントとなってきます。
例えば、Amazon のように、「このサイトで本を検索すれば必ず欲しい物が見つかる」といったように1つのジャンルで圧倒的に商品を取り揃えると良いでしょう。

(施策ポイント)
・サイトリピート客を増やす
・ジャンル商品の充実
・大量の商品に合わせた多くのページ制作(CMSの使用)
・配送時間の短縮
・クロスセルで他ジャンルへの誘発

4.モール型(多品×ニーズ)

このグループはファッションやフードなどで、欲しい商品を明確に定義しにくく、一度買ってもリピート購入に繋がりにくいです。
楽天や Yahoo! などの総合モールサイトに商品を出品する事をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
消費者は商品の価値を理解し、分析、比較しますのでシビアな商売になることは間違いないです。
商品を見てもらってからどれだけ「すぐ買いたい商品」に持っていけるかが重要です。
1つの商品に対し簡単なスペックだけでなく、商品価値を知ってもらえるデザインも内容も良いコンテンツを作ることが大切です。

(施策ポイント)
・コンテンツ制作
・コンテンツ制作におけるコストを管理

精度の高い仮説をたててアクセス解析をする

ECサイトでは、リアル店舗でお客様の動きを見るようにサイト訪問者を直接目で確認できません。

・一日に何人来店しているのか
・男女比
・訪問者の年齢
・興味のある商品
・来店時間、滞在時間

上記のような情報を得るためには、アクセス解析が必要です。
しかし、アクセス解析で分かるのは、あくまで「推測」に過ぎません。

アクセス解析はあくまで推測であり、来店者の興味を明確に測ることはできません。
だからこそ、より制度の高い分析をするためには「仮説」が必要です。
本書では、以下のように定義されています。

「直帰率を30%以下にしたい」というような”目標設定”ではありません。
目標が達成できる”理由づけ”が仮説です。
「○○なユーザーを誘導してサイトで▲▲なメッセージを伝え、■■をクリックさせるから直帰率が下がる」というのが仮説です。
そのようなイメージができて、初めて「直帰率」を見てみよう」と思うのです。
誰もが「なるほど」と思う理由と行動がセットになったものが仮説なのです。

一口に仮説といっても、立場によって立案する仮説(成功イメージ)は違います
経営者は「ネットビジネス全体の成否」に関心があるので、マーケットシェアや目標売上に必要な人員、事業の将来性・継続性などが仮説に当てはまるでしょうし、ウェブ運営担当者の立てる仮説は、サイトの使いやすさやコンテンツの満足度、人気のページはどれか、などになるはずです。

さいごに

2012年に書かれた本書ですが、ニーズ・ウォンツや、アクセス解析をする前に精度の高い仮説をたてることの大切さは、いつの時代も変わらないマーケティングの基礎的な考え方です。
ユーザーがサイトに何を求めて訪問するのかなど、精度の高い仮説を立てることにより、具体的な目標の設定と改善に向けたアクションを取ることが大切です。
今一度ユーザーのニーズ・ウォンツを知り、仮説をしっかりたててサイト改善がしたい!という EC 運用担当の方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。