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広告媒体の数値はKPIにならない?BtoBサービスの広告運用者なら押さえておきたいKPIの考え方

自社サービスで広告を運用している皆さんは、KPI としてどのような指標を設定していますか?
広告運用の KPI と言えば、表示回数やクリック率、コンバージョン数、コンバージョン率などなど多くあり、よく使用される指標がコンバージョン関連の「CV」「CVR」「CPA」この辺りの数値です。
しかし、これらの数値は本当に重要なのでしょうか。

本記事では、会社組織全体を考慮して、広告運用者がどのような指標を KPI として設定するべきか解説します。

目次

CPA は KPI にならない? BtoB サービスの広告運用者なら押さえておきたい KPI の考え方

広告運用で KPI としてよく使用されるコンバージョン関連の数値、 CVR や CPA といった媒体上の数値は、会社全体として見ると大きな意味を持ちません。
なぜかというと、これらの数値は広告運用以外のメンバー、とりわけ営業メンバーや経営陣にとっては重要性の低い数値だからです。

営業や経営陣は CPA に興味がない

営業や経営陣が何を KPI としているのか、どんな指標を重要視しているのか考えます。
まず、営業にとって重要な数値は受注件数(成約、契約、有料化など)、あるいは受注率です。
営業という名の通り、自社の商品やサービスをお客様と契約するのがメインの業務となるので、分かりやすいです。

次に、経営陣についても考えてみます。
経営陣が広告運用を含めたマーケティングの指標と接するとき、経営陣は「自社の持っている資金をどこに投資するべきなのか」という観点でデータを見ます。
したがって、経営陣が真っ先に見たい指標としては、費用対効果や受注率、売上高といった指標となります。

広告運用はコンバージョンの質を考慮するべき

とはいえ、費用対効果のみを計測していると、有料化までに時間がかかるような商材にでは、

「今月の広告経由の売上は0円、費用対効果も0%です。」

ということになってしまいます。

そこで、短期で広告の評価をするためには、コンバージョンの質を考慮、細分化して広告運用がどれだけ売上に結びつきそうかを計測する必要があります。

福田康隆氏の「THE MODEL」を参考に分類

コンバージョンの質を考慮する際には、元アドビ システムズ専務執行役員 マルケト事業統括で、現JCCコンサルティングの代表取締役社長の福田康隆氏の「THE MODEL」が参考になります。
内容的には、SaaS モデルや BtoB だけでなく、BtoC などでも幅広く応用できるものとなっています。

「THE MODEL」自体の内容は、その名の通り、マーケティングから受注、その後のカスタマーサクセスまでのモデルを解説したものになります。
「THE MODEL」を広告運用向けにすこし簡略化した図が以下の通りです。


※「THE MODEL」を参考に筆者が作成

この図は、左から右に向かっていく、受注までのフェーズとフローになります。
それぞれのフェーズの意味は以下の通りです。

リード獲得

実際に獲得したリードの数で、単純なコンバージョン数と同義です。

育成対象外

広告から獲得したコンバージョン数のうち、不正な顧客情報や競合他社、連絡が取れない情報などのことです。
営業メンバーからのアプローチが必要のないコンバージョンであり、価値のないコンバージョンです。

有効リード

獲得したコンバージョンのうち、営業メンバーがアプローチするべきものです。

商談化

有効リードの中から、価格交渉や契約についてなどの商談に上がったコンバージョンです。

受注

有料化したコンバージョンです。

リサイクル

営業メンバーがアプローチしたうえで、今回は受注に至らなかったかが、引き続き情報を発信していくことで再度商談への機会が見込めるコンバージョンです。

営業が追えないコンバージョンに価値はない

上記を踏まえると、育成対象外となってしまうようなコンバージョンは営業がタッチできない、あるいはする必要がないものです。
つまり、売上に貢献しない価値のないコンバージョンと考えられます。

広告運用者が計測するべきKPI指標

コンバージョンの質を計測すだけでも十分精度は向上しますが、もう少し広い範囲で考えてみます。

前述した通り、営業がタッチできないコンバージョンに意味はありません。
では、広告運用者はどのような指標を追うべきなのでしょうか。

広告運用者が計測するべき指標は、大きく3つに分けられます。

  • ■ 広告運用に関する指標(マーケティング)
  • ■ 営業に関する指標
  • ■ 売上に関する指標

広告運用に関する指標は必須

ここまで、 CPA に意味はないなど述べてきましたが、そうは言っても運用を改善するためには計測は必須の数値です。
以下の数値は日次・月次・四半期・累計で必ず計測しておきましょう。

・コスト
・表示回数
・クリック数
・クリック率
・クリック単価
・コンバージョン数
・コンバージョン率
・コンバージョン単価

 

営業に関する指標

営業に関する情報は「THE MODEL」をベースに計測します。
実際の「THE MODEL」は育成や不適正などありますが、業種によってフェーズの定義や設計は検討してください。

最低限計測するべき指標は、以下の通りです。

・有効リード = コンバージョン数 – 育成対象外数
・有効率 = 有効リード数 / コンバージョン数
・商談化件数
・商談化率 = 商談化件数 / 有効リード数
・受注件数
・受注率 = 受注件数 / 商談化件数

 

このとき、受注率だけでなく、商談化率、有効率も意識してください。
有効リードや商談化などに至った案件は、メルマガ等のナーチャリング施策によって、再び受注の機会がありますので価値あるコンバージョンと考えられます。

売上に関する指標

最も重要な指標です。
これらが計測されていなければ、今後その広告媒体に投資してよいのか分からなくなってしまいます。

施策同士で費用対効果を比較できるように以下の指標を計測しておきましょう。

・売上
・平均顧客単価
・費用対効果 = 売上 / コスト

 

上記をすべて踏まえて、以下のような形式で管理していくと良いでしょう。

コンバージョン関連の指標だけを計測していても実際にどれだけ意味があるコンバージョンを獲得できているのかわかりません。
ですが、上記のようにコンバージョンの質や売上の範囲まで考慮することで、広告運用の評価を、

「今月は受注に至ったコンバージョンはありませんが、商談化が〇件あるので、ここから売上が〇〇円見込めます」

と企業全体に報告できるようになるのです。

育成対象外のコンバージョンを減らす方法

大きく二つの方法があります。

1つは、育成対象外となるコンバージョンを育成対象にする方法です。
言い換えると、育成対象外となっていたコンバージョンに対応できるように商品・サービスを拡充する方法です。

この方法は開発費や工数などのコストが高くなりやすいので、事前のシミュレーションを十分に行ったうえで検討してください。

もう1つの方法は、育成対象外にコンバージョンさせない方法です。

例えば、広告文や自社ウェブサイトにターゲットが明確になる訴求を含めるなどです。
極端な例ですが、女性向けのサービスを訴求するときに、男性のモデルを使ってはいけません。
この場合、男性からのコンバージョンは育成対象外となってしまうからです。

「○○限定」「○○な方におすすめ」といった訴求を使用することで、育成対象外となるコンバージョンの減少を図れます。
どんな訴求が有効なのかはABテストを実施して確認するのがおすすめです。

さいごに

本記事では、BtoB 向けサービスの広告運用で計測するべき指標について、解説いたしました。

「広告運用担当」として任されると、つい媒体の数値ばかりにとらわれてしまいがちです。
広告運用で得たコンバージョンが、その後どのようにビジネスに貢献しているのかまで意識することでより費用対効果の良い施策実施が可能になります。

広告運用が売上につながっているのか、今のマーケティング施策にコストをかけるべきなのかどうか悩んでいる際には、ぜひ一度この記事の内容を試してみてください。

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