EC担当者必読!経産省「平成27年度 電子商取引に関する市場調査」から見えること | SiTest (サイテスト) ブログ

メニューボタン閉じるボタン

EC担当者必読!経産省「平成27年度 電子商取引に関する市場調査」から見えること

こんにちは、林です。

「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化にかかる基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
今年も、経産省からこの調査結果が発表されました。
ECサイトを運営されているみなさまにとっては、市場動向の把握に重要な意味を持つ調査であり、
ご存じの方も多いのではないでしょうか。

スポンサーリンク

とは言え、膨大な資料を読んでいくのもなかなか苦痛です…。
そこで、今回はBtoC-ECの項目に絞り、概要をまとめてお伝えします。
それでは、順にご紹介していきましょう。
(グラフは数値を元に再構成、参照元は文末に記載しています)

【Index】
1.国内のBtoC-EC市場について
2.国内のインターネット利用動向
3.まとめ

1.国内のBtoC-EC市場について

 
2015年(平成27年)度のBtoC-EC市場の規模は、13兆7,746億円(前年比7.64%増)でした。
 
図1
 
ECの浸透度合いを示す指標である「EC化率」(物販系分野における、すべての取引におけるECによる取引の割合)も、右肩上がりで増加しています。
 
図2
 
とはいうものの、昨年度まではBtoC全体の市場規模は前年比10%以上の伸び率で推移してきましたが、伸び率は鈍化傾向です。
特に物販については、対前年比の伸び率が半減しており、物販系ECを運営されている方にとっては厳しい結果となっています。
 
原因として挙げられているのが、「個人消費の冷え込み」「消費者の店舗回帰」「CtoC-ECの台頭」です。

1.個人消費の冷え込み

総務省統計局発表の「家計調査」によると、2015年の消費者1人あたりの年間合計消費額は3年ぶりに180万円を割り込みました。
 
図3

消費財はまとめ買いが可能なため、安価な際にまとめ買いをし継続的な購買行動を取らない傾向があります。
また、サービスへの消費支出は、まとめ買いができないという性質上減少していないために、その分が消費財への支出の圧縮に繋がっているという見方ができます。

2.消費者の店舗回帰

オムニチャネル(後述)に代表されるように、小売事業者によるネットと店舗を融合させたチャネル戦略が盛んとなっています。
ショールーミングの逆である「Webルーミング」という言葉からも示されるように、インターネットの活用により、むしろ購買チャネルとして店舗を選ぶ消費者が増加していることが推測されます。
特に大都市圏では、大量かつ多彩な小売事業者がひしめいており、ネットでも様々な工夫がされショッピングが楽しめるようになっているとはいえ、リアルの世界で現物を目にし手にでき店舗の雰囲気を味わえる点で、ショッピングの楽しさをより享受しやすいといえます。
 
※オムニチャネルとは?
「オムニ(omni)」とは、日本語で「すべて、あまねく」という意味を持ちます。
消費者が商品の購入に至る過程で、実店舗、PCサイト、モバイルサイト(スマートフォン)、ソーシャルメディア、従来型メディア(TV、新聞、雑誌)、カタログ、DM 等、あらゆる販売チャネル、情報流通チャネルを経由する時代となっています。
オムニチャネルとは、消費者がこれらの複数のチャネルをどのように経由してもスムーズに情報を入手でき購買へと至ることができるための、小売業者によるチャネル横断型の戦略、その概念、およびその実現のための仕組みを指します。

図4
 
2014年は「オムニチャネル元年」と言われるほどに物販業界ではオムニチャネルという言葉がよく聞かれましたが、2015年も引き続き小売業者を中心として単なる流行ではとどまることなく定着してきており、勢いも更に加速しています。
オムニチャネルのポイントは、異様者による商品の気付き(Attention)、興味関心(Interest)、検索(内容や特徴の理解、比較検討:Search)、購買・受け取り(Action)、共有(Share)といった一連の購買プロセスが、利用者にとって快適かつ合理的であるように、利用者視点に立って各チャネルがシームレスに構成されている点にあります。
小売業者の事業態様は、GMS(General Merchandise Store)、百貨店、コンビニエンスストア、家電量販店等、製造小売業と様々ではありますが、特定の業種にかたよることなくオムニチャネル戦略が展開されています。
様々な具体的な取り組みから見えてくるオムニチャネルのキーワードとしては、
 ・店舗とネットの相互送客/Webルーミング
 ・ネット、店舗で在庫を統一化
 ・来店促進、購入促進のための仕掛け作り
 ・ポイントの共通化
 ・受取方法の利便性向上
等が挙げられています。

3.CtoC-ECの台頭

2014年は、フリーマケット専用のアプリケーション(通称 フリマアプリ)の利用拡大が見られた年でした。
フリマアプリとは、スマートフォン等を使用してフリーマーケットのように個人が気軽に物品を出品し、個人間での売買を可能にする専用アプリケーションのことです。
2015年も利用拡大傾向は続き、「メルカリ」「Fril(フリル)」「ラクマ」等のフリマアプリへの出品数が引き続き増加しています。若年層を中心に、フリマアプリの人気が高まっていると考えられます。
これとは別に、「BASE(ベイス)」「STORES.jp」等の、個人が手軽にネットショップを出店できるサービスも知名度を上げ、出店数が増加しています。2013年のYahoo!ショッピングのストア出店料・売上ロイヤルティの完全無料化により、個人の出展が今後も増えると予想され、2016年以降もCtoC-EC市場は拡大を続けると予測されています。
 
事業者による商品・サービス提供を前提としてきたBtoC-ECと、個人による商取引参加を意味するCtoC-ECの境界線は、徐々に曖昧になってきているといえます。
 
 
では、引き続きBtoC-ECの市場について細かく見てまいりましょう。
2014年~2015年のBtoC-ECの市場規模の内訳は以下のとおりです。
 
図5
 
各分野での伸び率を比べると、物販系分野が6.40%、サービス系分野が9.37%、デジタル系は8.09%となりました。
 

A.物販系分野

物販系分野内での各カテゴリーの構成比率は、次のとおりです。
「衣類・服飾雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」「雑貨、家具、インテリア」の4カテゴリーですべて市場規模が1兆円を超え、この4カテゴリーで物販系分野の市場の7割以上を占めていることが分かります。
 
図6
 

B.サービス系分野

サービス系分野内での各カテゴリーの構成比率は、次のとおりです。
最も市場規模が大きいのは「旅行サービス」であり、サービス系分野内での比率も突出しています。前年比の伸び率が最も高いのは「飲食サービス」であり、前年比34.9%増。ネット予約が可能な店舗数が急増したことで、市場が大きく拡大しています。
 
図7
 

C.デジタル系分野

デジタル系分野内での各カテゴリーの構成比率は、次のとおりです。
最も市場規模が大きいのは「オンラインゲーム」であり、デジタル系分野内での比率もおよそ8割と突出しています。前年比の伸び率が最も高いのは「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」であり、前年比38.8%増と急速に市場が拡大しています。
 
図8
 
スマートフォン、タブレットの普及により、おもにその保有率の高い若年層を中心にオンラインゲーム、コミックの利用が増えていることが要因として考えられます。
 

2.国内のインターネット利用動向

 
毎年、6~7月に公表されている、総務省「通信利用動向調査」
今年のデータはまだ出ておりませんので、昨年分のデータを基にしてお伝えいたします!

まずは、全体のインターネット利用者数の推移を見てみましょう。

図9
 
平成26年の1年間にインターネットを利用したことがある人は、推計1億18万人。日本人の8割以上は、インターネットと生活の中で接していることがわかります。
もう少し、詳細にデータを見ていきましょう。
 
図10
図11
 
年齢階層別で見てみると、13歳~59歳の幅広い層で、ほぼ9割以上がインターネットを利用していることがわかります。
また、60代70代のインターネット利用率は年々増加しており、60代の4人に3人、70代の2人に1人はインターネットユーザーということになります。
 
では、使用端末で見てみると、どのような結果となるのでしょうか。
使用端末の中でも、とりわけスマートフォン、タブレット型端末については、世代間の違いが大きく現れています。

図12
図13
 
まだ、「自宅のパソコン」からのインターネット利用が多いですが、「スマートフォン」からのインターネット利用は大幅にその割合を増やしており、今後主流となる可能性があります。
13~39歳の7割以上が「スマートフォン」を利用しており、「自宅のパソコン」を上回っていることからも、その傾向が如実にわかります。
Googleが「スマホに対応しているか」を検索結果に反映することを発表したのも、納得ですね。
 
ちなみに、平成26年末における、年齢階層別、主に利用するインターネット端末(個人)の結果は以下のとおりです。
若年層はスマートフォンを主に使用する率が高く、年代が上がるにつれてパソコンや携帯電話(俗にいうガラケーです)を主に使用する率が高いことがわかります。
販売している商材のターゲットの行動がわかれば、広告の予算配分やターゲティングにも使用できるのではないでしょうか。
図14
 
併せて、保有状況を見てみましょう。
まずは、世帯別から。
図15
携帯電話(スマートフォンを含む)の保有率はおよそ95%と、ほとんどの世帯に少なくとも1台以上携帯電話があることになります。その数に内包されているスマートフォンの保有率が急激に上昇しており、ガラケーやPHSといった従来型の携帯電話は減少しています。
パソコンや固定電話といった、スマートフォンやタブレットでその機能を置換できるものの保有割合も減少傾向にあります。
 
続いて、個人の保有状況です。
図16
保有率で見ると、パソコンが最も高く、次いでスマートフォン、携帯電話(スマートフォンを除く)となっています。パソコンの保有率は下がり、スマートフォン、タブレットの保有率が上がっています。
 
年代別に分けてみると、
図17
13~39歳の各年齢階層では、「スマートフォン」が「自宅のパソコン」を上回っています。少し昔は、一家に1台パソコンというのは当たり前、ついこの間までは、1人に1台パソコン、というのが当たり前だと思っておりました…スマートフォンやタブレットのみでパソコンの代替としている人も、この世代には多いのかもしれません。
 

3.まとめ

 
今回は、BtoC-ECを取り巻く環境についてお伝えいたしましたが、いかがだったでしょうか。市場は拡大傾向ではありますが、商品・サービスにより傾向に大きな差があり、それを踏まえた施策が大切だ、というのがよく分かります。さらに、ユーザーは年齢層によって使用するデジタル機器も異なるため、その動向にあわせたサイト作りも必要です。こちらのデータを参考に、普段の業務に、広告配信時に、サイト制作や修正時に、参照いただければと思います。
 
SiTestでは、サイトへの流入ユーザーの利用端末ごとに、ユーザーの動きを解析することができます!「パソコン」「タブレット」「スマートフォン」それぞれの端末ユーザーごとに、サイト内での挙動は大きく異なります。ユーザーデータをしっかり分析することで、より多くのユーザーに対して、ユーザビリティを高めることができます。無料でSiTestをお使いの方はパソコンからのデータしか見ることはできませんが、まずは無料登録から。ぜひSiTestをご利用下さい!
 
 

出典

経済産業省 商務情報制作局 情報経済課 「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査」報告書
総務省 情報通信国際戦略局 情報通信政策課 情報通信経済室 「平成26年通信利用動向調査」