Google Analyticsのコホート分析って何？できるだけ解りやすく解説してみた。 ｜ SiTest (サイテスト) ブログ

「コホート分析」というGoogle Analyticsの管理画面の項目について、しっかり把握されていますか？
「ベータ版」という記載から、活用や確認が後回しになっていませんか？
Google Analyticsにおけるコホート分析とは、どのくらいのユーザーがサイトに定着したかを把握するための機能です。

容易に使いこなされている方も中にはいらっしゃるでしょうが、表をどのように見ればよいのか、どのように活用すればよいのかといった疑問を持っている方も多いかと思います。そこで、今回は「コホート分析」についてご紹介します。

「コホート」はもともと古代ローマの歩兵隊の単位で、数百人からなる部隊を指す言葉だそうです。

コホート分析とは、古代ローマの分団のごとくユーザーを特定の条件が当てはまるグループに分け、時間の経過とともにどのような行動をとったかを分析していきます。
もちろんその間にもサイト改善、ビジネスでの施策も行われていくわけですが、中長期的な視点でどのような影響があったのかを可視化してくれます。

リピート率向上はサービスの成果拡大に直結する

1,000人の新規ユーザーが利用するサービスについて考えてみましょう。
うち40人がリピートしてくれるサービスAと、うち20人がリピートするサービスBがあった場合。
リピート率はそれぞれAは4%、Bは2%になります。
では、引き続サービスAとサービスBが同じ広告予算で、同じ調子で新規ユーザーを獲得していったとすると・・・。
それぞれの成果はどのくらい差が出るでしょうか。

定着率に2倍の差があるので、当然サービスAが、サービスBのサイトに対して、2倍のスピードで成果を拡大していくことになります。

また、1,000人のユーザーのうち維持率が3%のサイトCと、100人のユーザーのうち維持率が30%のサイトDを比較した場合、リピーター人数は30人と同人数です。しかし、サイトがユーザーに提供している価値を考えると、維持率が30%の方が優れています。サイトコンテンツ、ユーザービリティ、品揃え、など要素は様々に考えられますが、高い定着率が達成されているサイトDへの集客をさらに拡大していけば、サイトCに比べていずれ長期的な収益が見込めます。
いかにサイトのリピーターを増やすか、が安定して成果を伸長させるポイントなのです。

定着率とは、まず再びサイトに訪れてくれることからはじまり、新着記事を読んでくれること、商品を購入をしてくれること、など様々なユーザーの行動に対して考えられますが、これらの指標ごとにコホート分析で簡単に定着率が可視化ができるようになっています。

Googleアナリティクスのコホート分析では、指標として以下を選ぶことが出来ます。

コホートの種類

ユーザを獲得した日付（現在は固定です）

コホートのサイズ

日別
週別
月別

指標

■ユーザー
ユーザーあたりのセッション
ユーザーあたりのセッション継続時間
ユーザーあたりのトランザクション
ユーザーあたりのページビュー
ユーザーあたりの収益
ユーザーあたりの目標の完了数
■合計
セッション
セッション時間
トランザクション数
ページビュー数
ユーザー数
収益
目標の完了数
■定着率
ユーザー維持率

期間

以下のようにコホートのサイズによって選べる期間が異なります。
■日別
過去7日
過去14日
過去21日
過去30日
■週別
過去3週
過去6週
過去9週
過去12週
■月別
先月
過去2か月
過去3か月

上のグラフは、とあるサイトの実際のGoogle Analyticsの管理画面で、
コホートの種類・・・ユーザを獲得した日付
コホートのサイズ・・・日別
指標・・・ユーザーあたりの目標完了数
期間・・・過去14日
で確認した画像です。
まず、サイトに訪れて1日目に目標完了するケースは少なく、3～6日の検討期間を経て目標完了するユーザー行動が傾向として見受けられます。

このように、最初の訪問から何日目のアクセスで購買や申し込み、資料請求に至ったのかを調べることもできますので、ユーザーの検討期間の測定が可能です。
とある賃貸物件を扱うサイトでは、基本的には検討期間が数ヶ月単位と長いそうですが、時期により検討期間が数日というユーザーが増えるのだそうです。

また、何度も商品を繰り返し購入されるようなネットショップだと何月何日に訪問したユーザー（集団）がどれぐらいの頻度でどのような行動をとっているか、購買間隔の測定といったことが可能です。
日用品などであれば、ユーザーの方の購買サイクルを把握することができ、再度購入しそうな頃にリマインドをするようなこともできます。

リピート率＝商品力や付加するサービスが大きな要因と捉え、競合商品との比較などから安易に価格改定などに手を付けてしまうことは良くありません。
それが重要な要素であることも否めない事実ですが、しかし本当のユーザーの定着率は、もっと大きな「顧客満足度」が大きく作用しています。
Webサイトのパフォーマンスを改善する3つのテクニック
例えばこちらのエントリで解説しているように、サイト表示スピードを改善することでもユーザーの定着率は激変します。
Google Analyticsのコホート分析を活用して、サイト改善の効果を中長期的に検証してみてはいかがでしょうか。