Yahoo!プロモーション広告、スポンサードサーチの右側広告枠が廃止！その影響度を測定してみました

2016年10月19日に、Yahoo!プロモーション広告、スポンサードサーチでデスクトップの検索結果に表示されていた画面右側のリスティング広告枠が廃止となりました。
次は11月16日に「拡大テキスト広告」の導入が予定されており、Yahoo!プロモーション広告、スポンサードサーチがますますGoogle AdWordsの仕様に近づいていくことになります。
今回は、実際に右側広告枠廃止の影響についての検証を行いました。

ことの始まりは2010年7月にまで遡りますが、今後もGoogleの仕様変更がダイレクトにYahoo! JAPANの検索サービス、ならびにYahoo!プロモーション広告にも適応されていくことは既定の路線なのでしょう。
Yahoo! JAPANの検索サービスにおけるグーグルの検索エンジンと検索連動型広告配信システムの採用、ならびにYahoo! JAPANからグーグルへのデータ提供について

Googleの右側広告が廃止の意図は、デスクトップの検索結果とモバイルの検索結果をより近づけていくためでした。

Google、モバイルファーストインデックスを発表。今後の対応は？でも解説したとおり、自然検索結果がどんどんモバイルファーストになっていく将来とも関連しますが、リスティング広告でもモバイルの仕様に近づけるという仕様変更がGoogle AdWords、Yahoo!プロモーション広告とも完了した事になります。

変更後10日以上を過ぎた状況を確認してみます。
以下は移行実行日の10月19日を境に、ランダムにアカウントを選択し各数値をデバイスごとにまとめた結果です。

PC（デスクトップ）での変化

移行前の平均値はCTRが0.46％、平均掲載順位が3.2、平均CPCが217円だったのに対し、移行後はCTRが0.33%、掲載順位が3.1、平均CPCが230円となりました。
なんとクリック率が下がり、平均掲載順位は若干の上昇、同時に1クリックあたりの単価もまた上昇しています。

SP（フルブラウザ搭載の携帯端末）での変化

移行前の平均値はCTRが0.79％、平均掲載順位が2.5、平均CPCが211円だったのに対し、移行後はCTRが0.80%、掲載順位が2.6、平均CPCが206円となっています。
平均CPCが良化していますが、各数値を見る限り大きな影響はなかったと考えて良いでしょう。
今回の変更はモバイルの掲載場所に影響をするものではないので当然の結果とも言えます。

TB（フルブラウザ搭載のタブレット端末）での変化

移行前の平均値はCTRが0.83％、平均掲載順位が2.5、平均CPCが215円だったのに対し、移行後はCTRが0.82%、掲載順位が2.8、平均CPCが271円となりました。
平均CPCに一番大きな影響があったのはタブレットという事になりますが、タブレットは配信ボリュームが他のデバイスに比べて少なく、数値上は1クリックの影響が大きくなるのでデータの正確性に若干の疑問が残ります。

現時点での検証では、デスクトップ、タブレットに若干の影響が出ているのかな？という程度にとどまっていました。
ただ、あえてデスクトップの右側のポジションを狙って入札単価を調整していたようなケースだと、話は変わってきます。
入札単価を引き上げてファーストページへの配信を狙うか、あるいは2ページめに甘んじるかの選択を迫られる事になります。
今回の影響は「指名検索ワード」（社名・商品名・ブランド名での検索）で戦略的に右側枠への配信を行っていたアフィリエイターさんにもっとも大きな影響があるのでは？という噂も信憑性があります。

理論上では、ユーザーの検索に対し、クリックできる広告のバリエーションが狭まってしまう（デスクトップの検索結果に表示されている広告数が減る）一方で、ページ全体で予測される広告クリック率が変わらないのなら、ページあたりの総クリックがそれぞれの表示された広告に分配される可能性が高まります。
必然的にファーストページを確保するための上位ポジション表示への応札が激しくなり、結果的に入札単価が上昇することも想定されます。
Yahoo!プロモーション広告、スポンサードサーチをご利用の方は、引き続き注意が必要です。
引き続き、影響の調査を継続してまいります。