ランディングページの直帰率はどれくらいが適正?改善方法と考え方について解説
インターネット広告を運用していると、一枚もののランディングページを使用されるかと思います。
そのランディングページの直帰率を Google Analytics で確認すると、80~90%くらいの値で「高いな」と感じることがあると思います。
本記事では、ランディングページの直帰率はどれくらいが適正なのか、どうやって改善すればよいのかについて解説します。
ランディングページの直帰率の適正値
そもそも、直帰率とは、ランディングページにアクセス後、別のページに遷移せずに離脱してしまった割合のことを指します。
セッションあたりのページ数が1のセッションの割合とも考えられます。
参考記事:【メディア・記事LP運用者必見】記事ページ改善のKPIに使える5つの指標
一般的にインターネット広告で利用されるランディングページでは、直帰率が高くなる傾向にあります。
理由としては、ランディングページ訪問者の行動は以下の 2 つに限られるからです。
・ページ遷移せずにそのまま離脱
商材にもよりますが、コンバージョン率が 3~5 % 程度と考えると、ランディングページの直帰率 80~90% 程度という数値は平均的な値と考えられます。
ランディングページの直帰率の許容範囲
ランディングページの直帰率を考える際に、重要なことは、どれくらいの直帰率が許容範囲なのかということです。
直帰率も、最終的なコンバージョンを増やすための立派な KPI なので、目標値を設定する必要があります。
直帰率の許容範囲は最終的な、目標コンバージョン率から逆算して考えます。
ただし、ランディングページの構成によって計算方法は変わります。
ランディングページの構成としては、以下の 2 種類があります。
・ランディングページとは別にフォームページが存在する
上記の 2 パターンによって直帰率の許容範囲と計算方法が変わります。
順に見ていきましょう。
ランディングページ内に入力フォームが設置されている場合
ランディングページ内にフォームが設置されている場合には、ページ訪問者の行動は2つに限られます。
・フォームの入力を完了せずに離脱
上記の状況を前提に、目標コンバージョン率を 5% として、直帰率を逆算してみます。
ランディングページ内にフォームが設置されている場合、コンバージョン以外は直帰と判断されますので、
直帰率の許容範囲 = 100% – 目標コンバージョン率 5% = 95%
と考えられます。
ただし、リロードを行った場合には、1 セッション中でランディングページに 2 回ページビューが発生したとして、直帰扱いにはなりませんので、この現象を考慮して、93% くらいは適正値と考えられます。
ランディングページとは別にフォームページが存在する場合
ランディングページとは別にフォームページが存在する場合には、ページ訪問者の行動は 3 つに限られます。
・フォームページに遷移したものの、入力を完了せずに離脱
・フォームページに遷移せず、離脱
この場合には、フォームページへ遷移した場合には直帰扱いにならないので、それを考慮した計算が必要です。
目標コンバージョン率は変わらず 5% とし、フォームからサンクスページへの遷移率を50%として計算してみます。
そうすると、フォームには10%の訪問者が遷移する必要があるので、直帰率の90%となります。
なお、先ほどと同様にリロードを考慮するとおおよそ85 ~ 90%くらいは適正値と考えらます。
ランディングページの直帰率を改善する方法
さて、ランディングページの許容範囲が分かったところで、その許容範囲まで低減、改善する方法を解説していきます。
主な方法は 3 つです。
・いつでも行動できるように導線設計になっているか確認する
・流入の多いキーワードを知る
順に解説していきます。
どこで離脱しているのかを調べる
直帰といっても、ページのどこで離脱しているのかは、直帰率からは分かりません。
直帰の要因となっているページのコンテンツを調べるためには、まずページのどこで訪問者が離脱しているのかを調べる必要があります。
方法としては 2 種類あります。
・ヒートマップツールなどで計測する
どちらでも計測が可能です。
とにかく、どこで離脱が発生しているのかを調べる必要があります。
下記の画像は、当社が開発・運営している LPO ツール SiTest(サイテスト)のスクロールデータという機能による計測です。
多くの場合、ファーストビュー(※1)での離脱率が最も高くなる傾向にあります。
その他にも、サイト訪問者が求めていないコンテンツの場合には離脱率が高くなる傾向にあります。
離脱が多く発生している箇所のコンテンツを改善することで、その箇所での離脱率が改善する可能性があり、それが改善することで直帰率も同時に改善します。
参考記事:ファーストビューのABテストで注目するべき5つの要素
もちろん、Google Analytics でもどこで離脱しているのか計測が可能です。
参考記事:Google Tag Managerと Google Analytics で読了率を計測する方法
※1 ファーストビュー:アクセス後一番最初に表示され、ページをスクロールしなくても閲覧可能なページのコンテンツ
いつでも行動できるように導線設計になっているか確認する
2つ目の対策は導線設計です。
良い導線設計とは、「即アクションができるかどうか」ということです。
確実にチェックしておきたいポイントは 2 点です。
・主要コンテンツの下に CTA が設置されているか
フローティングボタンは画面下部に追従しているボタンです。
このボタンがあることで、訪問者はいつでもフォームに遷移することができるため、コンバージョン率改善に貢献し、同時に直帰率も改善していきます。
また、主要コンテンツの付近にボタンを設置することも有効です。
価格表示や、事例などのコンテンツは注目されやすいコンテンツであり、訪問者がそのようなコンテンツを閲覧することで行動への可能性が高まっていきます。
その丁度よいタイミングでボタンを表示することで、フォームへの遷移率やコンバージョン率、直帰率が改善していきます。
流入の多いキーワードやバナーを知る
3 つ目の対策は、ランディングページに流入を促しているキーワードや広告バナーを把握することです。
検索広告を運用する際に重要なことは、「キーワード」「広告文」「ランディングページ」この 3 つの関連性を高めることです。
極端な例ですが、「掃除機 格安」と検索し「格安掃除機の通販ならこちら」という広告文をクリックした結果、「健康食品サプリメント」のランディングページに遷移したら、直帰するのは当然ではないでしょうか。
上記と同様に、ネットユーザーが思っていたものと違うランディングページに遷移させてしまうと、直帰につながってしまいます。
ディスプレイ広告などについても同様で、バナーの訴求内容とランディングページの内容が乖離していると、直帰につながってしまいます。
なるべく広告文やバナークリエイティブをテキストや画像を統一させることが有効です。
【裏技】直帰率の定義を変える
最後の対策として、「直帰率の定義を変更する」という方法があります。
ただし、こちらは Google Analytics の直帰率計測に限定されます。
直帰率の定義は先ほど説明した通り「セッションあたりのページ閲覧数が1であるセッションの割合」です。
しかし、Google Analytics はイベントが発生した際に「このイベントが発生したときは直帰扱いとしない」と設定することが可能です。
例えば、「動画を再生している」だったり、アコーディオン部分をクリックしたなどを設定する場合があります。
この設定を「非インタラクションヒット」といいます。
「非インタラクションヒット」は真か偽を設定することができ、そのイベントが発生した場合には「直帰ではないセッション」として扱うことが可能です。
上記を利用することで、セッションあたりのページは1ページだけれども、直帰率は下げるということが可能です。
ただし、皆さんもご理解している通り、実際の直帰率が低下しているのではなく、定義を変えているだけなので、実際の訪問者の行動は変わっていないということに注意する必要があります。
この内容に関しては、直帰率を下げるためではなく、Google Analytics で計測している中で、直帰率が大きく下げている、あるいは上がっているというときの「要因の可能性の1つ」として覚えておくと良いです。
さいごに
今回はランディングページにおける直帰率の適正値と改善方法について解説しました。
ランディングページでは、構造上ウェブサイトの各ページよりも直帰率が高くなる傾向にあります。
そのことを踏まえつつ、まずはなぜ直帰率が高くなっているか、その要因を突き止め、改善していくのが好ましいでしょう。
直帰の要因になっている要因を解析し、改善施策を実施できるツール SiTest(サイテスト)
今回解説した直帰率を改善するための方法は、当社の開発するウェブサイトの解析改善ツール SiTest(サイテスト)でも実現が可能です。
SiTest のスクロールデータの機能や、A/Bテスト機能で離脱率が改善できます。
インターネット広告のコンバージョン率、コンバージョン単価を改善したい、課題を感じているという方には、SiTest の無料トライアルがおすすめです。
もしご興味があれば、以下のリンクから無料トライアルのお申し込みができます。
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