人工知能×ファッション…流行を作るのはデザイナー？ユーザー？それともデータ？ ｜ SiTest (サイテスト) ブログ

大昔、まだ私がテレビ関連のお仕事をしていた時の話なのですが…
とある通販ブランドのレディス担当の方と商談をしていた際、
「あまねくメディアに露出したアウターのデータを集約して、来年の流行色をはじき出すことができればねぇ」とご相談をお受けした事があります。

ブランド側の人間にとって、流行とはあくまでも創りだすもの。
生産に半年、それ以上前からラインを確保する必要があり、「今流行っている色」は既に過去という感覚なのだとか。

その頃はまだデータフィードを使ってのeコマースが主流で、画像を解析して流行を先読みするようなことは不可能でしたが、今ではアパレルの分野でも人工知能を導入が進んでいるようです。
人工知能を使ったファッション関連のサービスを集めてみました。

POCKET PARCO

人工知能導入によりレコメンデーションをしてくれるスマートフォンアプリ。
ユーザーの購買・来店履歴やお気に入り登録履歴、閲覧記事に基づき人工知能がユーザー一人ひとりの好みを機械学習しオススメ情報を提供してくれます。

SENSY

ユーザーの好き/嫌いを分類することで、ユーザーの感性を人工知能が学習してゆく。
また、東京ガールズコレクション関係者の人工知能を融合させ、新たなトレンドを創出するというプロジェクトを立ち上げたり、伊勢丹と「人工知能接客プロジェクト」をおこなうなどしています。

FAMME

Instagramerのコーディネート画像を使用したファッションメディア。
人工知能技術で多くのユーザーに閲覧されているコーディネートを抽出し、表示してくれます。
Instagramをファッションの参考にしたい女性のために、人工知能がキュレーションしてくれるって感じでしょうか。

iQON

ユーザーの好みに合わせてレコメンデーションしてくれるコンテンツ「for you」にディープラーニングを活用。
過去の閲覧履歴や購入、”LIKE”の履歴データを元に提案するテクノロジーを開発し、アイテム閲覧数が約4倍に、購入率が2倍に向上したそうです。

THE NORTH FACE×Watson

THE NORTH FACEもワトソンを使ったアプリを開発中です。
ベータ版はすでにウェブ上で試す事ができます。
人工知能が質疑応答様式でベストな提案をしてくれます。

SENCY CLOSET

上記で紹介している「SENCY」のスタイリング提案バージョン。
ファッションアイテムの情報やユーザーが保存したコーディネート情報をSENCYが学習しユーザーに最適なコーディネートを提案してくれます。

Deeplooks

DeepLooksはディープラーニングテクノロジーを利用して「見た目」に対する抽象的な評価を数値化してくれるサービス。
ちなみに私は美しさスコア2.2でした…。
今後の発展としてはベストなアイウェアの発見や、コーディネート、性格診断まで行えるようになるそうです。

まだまだ大衆に対して流行を生み出すというよりは、よりユーザー個人の趣味嗜好に寄り添うものが多いですね。
ファッション業界のレコメンドの難しさに、着たい服装、好みのコーデと、似合う洋服が必ずしも一致しないという問題もあるのですが、つい同じような洋服ばかり買ってしまう私のような人間には、マンネリズムから抜け出すためにも良いかもしれません。

ファッション業界で活用されている人工知能、今はまだコーディネートや、キュレーション、eコマースよりのサービスに主眼が置かれているものが多いですが、業務の効率化、新しい購買体験、顧客満足の追求の果てに、蓄積されたデータを使って来年の流行を導き出すような、そんな人工知能が生み出される時代も遠くないかもしれません。