カジノ解禁法案でどうなる?人工知能とギャンブルの関係 | SiTest (サイテスト) ブログ

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カジノ解禁法案でどうなる?人工知能とギャンブルの関係

昨年 12/6の13時に衆議院本会議でIR推進法案が可決されました。
IR(Integrated Resorts)とはカジノを含む統合リゾート施設のこと。もちろんカジノだけではなく、ホテル、劇場、テーマパーク、ミュージアム、MICE(国際会議・展示イベント施設)等を一つのエリアに統合させた施設ですが、なぜカジノが不可欠な存在かというとIR施設の内、カジノは面積こそ小さいですがその売り上げのほとんどを稼ぎ出す収益の柱となっており、その収益のお陰で他の施設はコストを十分に使った最上級のサービスに専念できると言う構造になっているからです。

日本ではカジノ(ギャンブル)が刑法185条および186条によって禁止されていることから、IR施設の現実化には法改正が必要でありその解決のためにIR推進法案が推進されています。

カジノゲームと人工知能

カジノと言えば様々なカジノゲームがありますが、その多くは不完全情報ゲームと言われるものです。
不完全情報ゲームとは、麻雀・花札・ポーカーといったゲームに代表されるプレイヤーごとに異なる情報を持ち、それを隠し駆け引きで遊ぶゲームで、チェス、将棋、囲碁など全ての盤上の情報が明らかで、プレイヤーの行動をすべて確認できるものは完全情報ゲームといい、区別されます。

完全情報ゲームにおいては人工知能はその演算能力を発揮し人間を凌駕するところまで到達していますが、不完全情報ゲームへの挑戦ではどうでしょうか?

ポーカー

アルバータ大学のコンピューターポーカー研究グループはその研究論文で、「ヘッズアップリミット・ホールデム」と呼ばれる2人でプレーする方式を攻略したと発表しています。
これはヘッズアップ(1対1)でリミット(掛け金に制限がある)という最もシンプルな方式のポーカーですが、プレイヤーがたとえ2人だけでも未知の情報が多く人工知能にとっては難題です。
このプログラムはプレーのルールから学習し、その後、毎秒ごとに60億を越える手を学習しました。これは全人類がこれまでにプレーしたポーカー回数を上回るとされ、最終的に得られたプログラムは常にほぼ完璧なプレイをするそうです。

また、別の人工知能がより複雑な条件でポーカーのトッププレイヤーに挑戦しています。
この人工知能の名は「Claudico」といい、人間プレイヤーは4人が参加。「ノーリミットテキサス・ホールデム」での対戦となりました。
これは上記の2人、掛け金制限付きではなく人工知能を加えて5名のプレイヤーが掛け金「無制限」というより複雑で、駆け引きが重要になる条件での勝負となりました。
(テキサス・ホールデムは通常10名程度でゲームします)

テキサス・ホールデムのルールについては動画でご確認ください。

結果的には得られた掛け金の差で人間の勝利、でしたが、その差は信頼度95%に満たず統計学的には引き分けと開発者はいいます。

ポーカーはどのプレイヤーも完全なデータを持ち合わせておらず、その不確かさは現実世界にも通じます。
人工知能が不完全な情報データしか持ち合わせていなくとも、その状況で最善の判断ができるようなアルゴリズムの開発を実現するため不完全情報ゲームへの挑戦は人工知能が現実社会へより適合するためのチャレンジにもなっています。

既にオンラインポーカーではAIが活躍している?

「ポットリミットオマハ」というテキサスホールデムより難解なルールで行われるオンラインカジノで、すでに人工知能らしきアカウントが最低150万ドルを稼いでいたと推定されています。
そのアカウントは削除されているものの、やはり不審な参加者を完全に削除することはできないようです。

麻雀でも人工知能が活躍

麻雀はカジノゲームに数えられることは少ないでしょうが、ギャンブルゲームとしてはメジャーで歴史があります。
日本国内最大級のオンライン麻雀「天鳳」では、麻雀AI「爆打」が上位0.0007%に入るランキングを獲得しています。
すでに開発者より強く成長しているこの「瀑打」は、自己対戦で1日で半荘(一般的には麻雀でのゲーム開始から終了までの単位)5万回をこなすという機械学習で成長します。

カジノに人工知能は持ち込める?

ところで、トッププロに統計的にはほぼ互角に戦い、さらに研究が続けられているポーカーAI、これをカジノに持ち込み利用することはできるのでしょうか

ちなみに、すでに将棋の世界では日本将棋連盟は電子機器によるカンニングを防止するため、対局室への持ち込みを制限することを決定しています。

結論からいうと、まだまだ人間同士の混じっての不完全情報ゲームでは人工知能は脅威とは言えず、スマートフォンの利用などは禁止されていません。
カジノ客に厳しい制限を課すと集客の妨げにもなるため、トーナメントゲームなどでの不正利用に対してのみ制限があるようです。
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最後に

今回は注目されるカジノ法案(IR推進法案)にちなんで、ギャンブルと人工知能について述べました。
不確定情報ゲームでも、すでに1対1の勝負なら人工知能が攻略済みということはちょっと驚きです。
やがて人工知能がその顔認証技術で微妙な表情の変化や呼吸などを読みとって、対人の駆け引きでもトッププロを凌駕する時が来るのでしょうか。