Google Analyticsの「ユーザーエクスプローラー」を理解しよう
2016年の4月から、Google Analyticsで、ユーザーごとにどのページを見て、コンバージョンしたか等を確認で機能「ユーザーエクスプローラー」が実装されました。
今回は、この「ユーザーエクスプローラー」について紹介します。
ユーザーエクスプローラーのメニューはユーザーの直下にあります。
クリックして入ると、非常に直感的に把握ができます。
縦にクライアントID(個別のユーザーID)、横にセッション、平均セッション時間、直帰率、収益、トランザクション数、コンバージョン率と並んでおり、それぞれでソートをかけることができます。
このクライアントIDは、Cookieで識別されたそれぞれブラウザごとに振られているIDで、今までGoogle Analyticsでレポートができなかった、「誰がどのページを見ていた」という細かいところまで確認できるようになりました。
それぞれのユーザーIDをクリックすると、IDを個別のセッション数、時間、収益やアクセスの参照元が把握できる画面に遷移し、匿名とはいえ、ユーザーの行動が赤裸々に確認できます。
期間内のセッション数はもちろん、どの流入経路からいつどのページを何秒間見ていたかまで、事細かくデータ化されています。
もちろん、クライアントID一覧で収益性の高いユーザ-をソートし、どういった流入経路でどのページを見ていたかを確認することで、データ分析で得られた傾向値とはまた違う顧客理解ができるのではないでしょうか。
ブラウザが違うと別ユーザー扱いに
ちなみに自分が閲覧しているサイトでどんなクライアントIDが振り当てられているか確認するには、F12を押してCookieを確認することで可能です(Chromeの場合)。
SiTestブログでのCookieをChromeとFirefox(ツール→オプション→プライバシーで確認できます)で確認してみましたが、やはり文字列は違いました。
ブラウザをまたいでの計測はできないということですね。
ユーザーエクスプローラーは、昔からもともとあったCookie情報を活用することで、簡単に集計を可能にしているので仕方がありません。
ブラウザをまたいで計測をする場合にはUser-IDを利用する必要があります。
Google AnalyticsのUser-ID機能を使ってユーザ行動を追跡しよう
こちらのエントリで詳しく説明がありますが、クロスデバイスで計測するにはサイトへのログイン情報を用いてユーザーの名寄せを行わねばなりません。
ユーザーエクスプローラーの使い方
個別のユーザー導線が見れることによって、どのような施策へ活用できるのでしょうか
定量的に見るよりむしろ、定性的なユーザー行動の理解を行うという使い方になりそうです。
ECサイトの場合
ネットショップの場合には非常にわかりやすい活用が考えられます。
トランザクションのあったユーザー(購入者)の利用内容はどのようなものか、というのは一番興味を惹かれるところです。
むしろ他の軸で見ることで得られる情報がポイントになります。
例えば、
セッション時間は長いがトランザクションは少ないユーザー
セッション数は多く頻繁に訪れるが、トランザクション数は0の(何も買わない)ユーザー
セッション数は少ないが、トランザクションは比較的多いユーザー
特徴的なユーザーを抽出したうえで、それぞれのインサイト発見につなげていきましょう。
また複数回購入しているユーザーに着目し、ライフタイムバリュー(LTV)を上げる、ための分析に使うこともできそうです。
BtoB企業の場合
BtoBの場合には目先の購買だけが目標ではありません。
より商品、サービスの利便性や企業の成り立ちなど、会社を知ってもらう、といったことがお取引の要因になることも考えられます。
会社概要ページを見ていただいたか否かがもしかすると資料請求までの重要ポイントになっているかもしれませんし、料金表ページを見た人はその後離脱してしまうようであれば料金ページはないほうが良いということになります。
ユーザーエクスプローラーは一人のユーザーを追いかけることができるため、検討期間が長いもの、同業他社と比較するような商材で活用ができます。
最後に
個別のユーザー行動がとても細かく追うことができるのは素晴らしいですが、見始めるとキリがありません。
まずはセッションの少ないユーザー、滞在時間の短いユーザーはチェックするのは止めましょう。
(もちろん収益性が高いのであれば、特徴的なユーザーとして確認してみるのもありです。)
ある程度のクラスタごとにランクを分け、どういった客層なのかを仮定しあたりをつけていくのが効率的です。
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