人工知能が面接官？パーソナライズな就職活動へ。 ｜ SiTest (サイテスト) ブログ

3月になり、今年も就職活動が解禁されました。
多くの2018年に卒業をひかえる学生が就職活動に本腰をいれて業界研究や採用説明会に参加し始めます。
同じく、採用する企業側も採用活動がスタートしています。
本日まさに、弊社でも新卒採用説明会が開かれております。

人工知能が人間の代わりに採用面接を行い、応募者の資質を分析して診断結果データを提供するサービスが登場しています。

選考解禁である6月まで3か月間と短く、短期決戦の傾向が強まっている就職活動。
しかし、就職活動期間が絞られている分、企業・学生にしても相互理解を深める余裕がありません。
また、活動期間が短いという理由の他にもざまざまな問題要素があります。

学生側

・遠方まで説明会に行くお金が足りない
・学校の授業と就活のバランスがとりにくい
・企業の事を深く知る機会や情報が少ない

企業側

・学生とじっくり話す機会が少ない
・普段の業務が忙しく採用活動に十分な時間を取れない
・採用選考が不透明

「お祈りメール」という言葉はご存知でしょうか？
企業から届く　”不採用通知”　のことを意味し、「～をお祈り申し上げます」などという一文が最後に添えられているため、その呼び名が付きました。
就活生が就職活動をしていてまずダメージを受けるのが「お祈りメール」といっても過言ではないでしょう。

さらに、就活生にとって厄介なのが、不採用通知すら来ない「サイレントお祈り」です。
これを経験したことのある学生の多くが、その企業に対して悪いイメージを抱きます。

株式会社アイデムの新卒採用に関する企業調査によると、実際にサイレントお祈りを実施している企業は22.4％で、会社の従業員規模が3,000人以上の大企業になるとさらにその割合が増え31.8％となっています。
応募者へ不採用の連絡を書くのに1人2分かかるとしたら、1,000人分連絡するのにかかる作業時間は約6日間に相当します。
採用期間中は新しい応募者がどんどんやってきますし、こうしてみると採用側も送りたくても送れない状態になるのも仕方ないのかもしれません。

採用活動の目的は、自社で活躍をしてくれる人を見つけることを探すことはもちろんのこと、応募者に良い印象を持ってもらい、自社のブランディングを行うことでもあります。
口コミの種になる就職イベントにおいては、応募者との間で発生する些細なコミュニケーションも重要となります。

先ほどは応募する就活生と採用する企業の問題について述べましたが、相互が抱える問題を解消する策として採用に人工知能を活用する動きがはじまっています。

株式会社タレントアンドアセスメントが人工知能による採用面接サービス「(仮)AI面接官」を5月上旬に提供開始すると発表しました。
「(仮)AI面接官」は、企業が求める人物像や採用基準に基づき、AIが人間の代わりに採用面接を行い、応募者の資質を分析して診断結果データを提供するサービスです。

「(仮)AI面接官」と連携したロボットやスマートフォンで24時間場所を問わず採用面接が可能となり、他社と選考がバッティングするなどの機会損失を減らせるようになります。
また、採用面接時の音声データは今後ビッグデータとして活用していく予定で、更なる採用効率の向上を見込んでいます。

AIの学習が単純すぎると、次はAI対策をして本当の自分を見せない学生も出てくるかもしれません。
常に企業の行く先を見据えた情報の更新をしていかないと、採用者とのミスマッチが起きてしまうなどの課題はあります。

採用においては、適正なマッチングとスピーディに応募者が安心できる情報を伝達できることが大切です。
毎年訪れる就職活動シーズン。短期決戦と言われている今、採用に関して企業側のニーズと応募者の効率的な活動に貢献するこのサービスは、さらに拡がりをみせそうです。

・株式会社タレントアンドアセスメント「(仮)AI面接官」
　http://www.ta-p.co.jp/news/86/
・株式会社アイデム　 新卒採用に関する企業調査
　https://apj.aidem.co.jp/upload/chousa_data_pdf/277/2016_05kigyou.pdf