【保存版】LPのA/Bテストのやり方!初心者でも成功させるためのポイントを解説
「LPのコンバージョン率を上げたいけれど、A/Bテストのやり方がわからない」と悩む方は多くいます。やみくもにページを修正しても、LPの改善にはつながりません。LPを改善するためにはA/Bテストによる科学的な検証が重要です。
この記事ではLPのA/Bテストが必要な理由や具体的な手順、テスト対象の要素、注意点まで初心者にもわかりやすく解説します。記事を読めばA/Bテストの正しい進め方を理解でき、データにもとづいた効果的なLP改善を実現できます。A/BテストでLPの成果を最大化し、コンバージョン率向上を目指しましょう。
目次
- LPのA/Bテストが必要な理由
- LPのA/Bテストの手順
- LPのA/Bテストの対象となる要素
- LPのA/Bテストを行うメリット
- LPのA/Bテストを行うデメリット
- LPでA/Bテストを行う際の注意点
- LPのA/Bテストを成功させるためのポイント
- LPのA/Bテストに効果的なPDCAサイクルのやり方
- LPのA/Bテストのやり方に関するよくある質問
- まとめ
LPのA/Bテストが必要な理由
LPの成果を向上させるには、A/Bテストが欠かせません。勘や経験に頼った修正ではLPの効果的な改善は困難です。A/Bテストで得られるユーザーデータにもとづいて、LPを客観的に改善できます。
LPのA/Bテストが必要な理由は以下のとおりです。
- ■コンバージョン率の向上のため
- ■ユーザーエクスペリエンスの改善のため
- ■データにもとづく意思決定のため
コンバージョン率の向上のため
A/Bテストは、LPから得られるコンバージョン率を最大化するために重要です。LPの商品購入や問い合わせなどのコンバージョンを増やすには、A/Bテストによる継続的な改善が必要になるからです。小さな改善を積み重ねることで、LPのコンバージョン率の向上につながります。
デザインやボタンの文言を変えるA/Bテストを行い、データを見て客観的に判断すれば効果の高いLPの改善策を選べます。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善のため
A/Bテストは、LPを訪問したユーザーがより快適に利用するために欠かせません。A/Bテストを実施すると、異なるデザインやコンテンツのバージョンを比較できます。どちらがユーザーの反応や成約率などで良い結果を出すかを数字でしっかり確認できるためです。
A/Bテストを通じて、ユーザーにとって使いやすいLP要素を特定・改善できます。A/Bテストで発見できるLPの改善ポイントは以下のとおりです。
- ・ユーザーが感じている課題やストレス
- ・よりわかりやすい情報の伝え方
- ・直感的に操作しやすいレイアウト
- ・フォーム入力の手間の軽減
問題点を改善するとユーザー満足度が向上し、LPから離脱する割合を減らせます。
» 経済産業省「⾼度デザイン⼈材育成ガイドライン」(外部サイト)
データにもとづく意思決定のため
LPのA/Bテストを実施することで、データにもとづいた客観的な判断が可能です。勘や経験のみに頼るのではなく、数値データを見ることでLPに対して根拠のある改善策を選択できます。LPのA/Bテストをすると、企業は効果的なデザインや文章の効果が数値として明確に判断できます。
社員同士の意見が割れた際は、A/Bテストのデータをもとに論理的な判断も可能です。A/Bテストによって得られた結果から優先的に取り組むべき箇所を選べるため、限られた時間や予算を効率的に活用できます。
» A/Bテストとは?目的やコンバージョンを伸ばす手法とおすすめツール3選!
LPのA/Bテストの手順
LPのA/Bテストは、データにもとづいた改善によって効果を高める科学的な手法です。感覚ではなく結果から判断するため、A/Bテストは確実な成果を期待できます。効果的なA/Bテストの手順は以下のとおりです。
- 1.現状の分析と課題の特定
- 2.テスト仮説の設定
- 3.テストパターンの作成
- 4.A/Bテストの実行
- 5.結果の分析とフィードバック
現状の分析と課題の特定
効果的なA/Bテストを行うためには現状のLPを詳しく分析し、改善すべき課題を特定します。LPの問題点が不明なままA/Bテストを行っても、効果的な改善にはつながらないからです。LPの現状分析で活用する手法は以下のようになります。
- ・アクセス解析によるデータ分析
- ・ヒートマップによるユーザー行動分析
- ・コンバージョンファネルでのボトルネック特定
- ・ユーザーアンケートによるフィードバック収集
- ・競合サイトとの比較分析
分析を行うためには、Google Analyticsなどのツールでコンバージョン率や直帰率、離脱率を確認しましょう。LPでユーザーがクリックしている場所を視覚的に把握するには、ヒートマップツールが便利です。LPの分析結果から現在の具体的な課題を特定します。
テスト仮説の設定
現状分析で見つかった課題を解決するため、具体的な改善のアイデアと結果を予測する「テスト仮説」を立てることが重要です。仮説を明確にするとA/Bテストで何を検証したいのか、何を改善したいのかがはっきりするからです。
仮説は以下のような手順で具体的に設定しましょう。
- 1.LPの要素を(このように)変更する
- 2.指標が(このように)改善するだろう
- 3.なぜなら(理由)だから
「申し込みボタンの文言を『資料請求』から『無料で試してみる』に変えれば、ボタンのクリック率が上がるだろう。無料という言葉がお得感を与え、行動を後押しすると考えられるため。」といった仮説を立てます。
仮説では定量的な目標値を設定しましょう。A/Bテストの目標として「問い合わせ件数を月20件増加させる」など、数値を明確にすると成功の基準が明確になります。
テストパターンの作成
設定した仮説をもとに、元のLP(オリジナル)と比較するための新しいLP(テストパターン)を作成します。良い結果につながる変更を確認するため、ユーザーに2パターン見せて実際の反応を比較しましょう。
テストパターンの作成では、ページの見た目や使用する文言を変えたバリエーションをデザインし、実際に表示可能な形にします。LPの変更箇所は仮説にもとづき、1箇所のみ変更しましょう。同時に複数変更すると効果の判断が難しくなります。
A/Bテストの実行
テストパターンが完成したら、A/Bテストを実行する段階です。作成した仮説が本当に効果があるのか確認するため、正しくテストを設定してデータを収集する必要があります。A/Bテスト実行の手順は以下のとおりです。
- 1.課題の洗い出しと仮説の設定
- 2.テストのゴールとKPI(※)の設定
- 3.A/Bテストツールの選定と設定
- 4.パターンの登録と配信
- 5.トラフィック配分の決定
- 6.テスト期間の設定
- 7.データ収集とモニタリング
- 8.結果の分析と仮説検証
- 9.改善策の検討と実施
A/Bテストツールを選択し、ホームページで使用可能な状態に設定します。ボタンのクリックやフォーム送信など、テストのゴールをA/Bテストツールに定義しましょう。A/Bテストに定義をセットしたらオリジナルとテストパターンをツールに登録し、ユーザーに表示する割合を決定します。
A/Bテストはオリジナルとテストパターンのどちらが良いか明確になるまで、十分な期間やデータを収集しましょう。
※ KPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)とは、目標を達成するための取組の進捗状況を定量的に測定するための指標です。
» 地方創生「Ⅱ.導入編 4. KPI(重要業績評価指標)の設定について」(外部サイト)
結果の分析とフィードバック
A/Bテストの完了後は収集したデータを詳しく分析し、得られた知見を整理します。結果を丁寧に分析することで、A/Bテストで効果があったアプローチが明確になるからです。A/Bテストの結果を分析する際は以下を行います。
- ・データの整理
- ・パターンの比較
- ・予想との照合
- ・成功要因の特定
- ・失敗要因の分析
テスト結果の分析が完了したら、次の改善策を導き出しましょう。テスト結果を丁寧に検証し、学んだことを次に活かすことがLPを継続的に改善するために欠かせません。
LPのA/Bテストの対象となる要素
LPの各要素はユーザーの心理や行動に大きく影響するため、要素を段階的にテストすると1つずつの効果を正確に測定できます。LPのA/Bテストの対象となる要素は以下のとおりです。
- ■ファーストビュー
- ■キャッチコピー
- ■CTAボタン
- ■フォームの仕様
- ■ビジュアル要素
ファーストビュー
ファーストビューはユーザーがLPを開いて最初に目にする部分です。ファーストビューで興味を引けなければ、ユーザーはすぐにLPを閉じてしまう可能性があります。ファーストビューでテストできる要素は以下のとおりです。
- ・メイン画像・動画
- ・CTAボタンの文言・デザイン・配置
- ・信頼性要素(実績・受賞歴・メディア掲載)
- ・レイアウト・デザイン全体
LPのメイン画像やCTAのボタンの色を変えるだけで、ユーザーの反応が大きく変わる場合が多くあります。優先順位を決めてファーストビューの変更を行い、最適な形を見つけ出しましょう。
» LPのファーストビューを効果的に作る方法
キャッチコピー
キャッチコピーは、LPの成果を大きく左右するテスト要素です。キャッチコピーはユーザーがLPを開いた際に最初に目にする言葉であり、後の行動を決める大きなきっかけになります。魅力的なキャッチコピーはユーザーの心をつかみ「先を読んでみたい」という気持ちにさせます。
キャッチコピーは複数パターン作成しましょう。キャッチコピーはターゲットの悩みや願望に語りかける言葉、商品やサービスから得られるベネフィットが伝わる表現がおすすめです。どのようなキャッチコピーが多くのユーザーの関心を引きつけ、クリックや申し込みにつながるかをA/Bテストで比較しましょう。
CTAボタン
CTAボタンは、LPでユーザーに特定の行動を促すための要素です。ボタンのデザインや文言を変更することで、LPの成果が大きく変わる可能性があります。CTAボタンで変更・テストできる要素は以下のとおりです。
- ・ボタンの文言
- ・ボタンの色・形・サイズ
- ・ボタンの配置場所
- ・ボタン周辺の説明文
- ・ボタン内のアイコン
CTAボタンの要素を1つずつ、あるいは組み合わせてテストすると最も効果的なデザインを見つけ出せます。CTAのテキストを「登録」や「無料登録」に変更したり、ボタンの色を目立つ色に変更したりするだけでも効果が期待できます。
フォームの仕様
LPのフォームの仕様は、コンバージョン率を左右するテスト対象になります。ユーザーが最後まで迷わず入力し、送信ボタンを押せるようなフォームを目指しましょう。フォーム改善でA/Bテストすべき要素は以下のようになります。
- ・入力項目数
- ・必須・任意項目の明示
- ・入力方式(形式)
- ・入力欄のレイアウト
- ・エラー表示方法
- ・入力補助機能
- ・送信ボタンのデザイン・文言
- ・プライバシー同意
フォームはLPで商品購入や問い合わせなど、ユーザーが最終的な行動を起こす場所です。フォームの入力が面倒だったりわかりにくかったりすると、ユーザーは途中で諦めてLPを離脱するリスクがあります。
ビジュアル要素
ビジュアル要素は、ユーザーがLPを見たときの第一印象や、商品・サービスへの興味を大きく左右します。ビジュアル要素でテストできる項目は以下のとおりです。
- ・メイン画像・動画
- ・アイキャッチ画像
- ・イラスト・図解
- ・写真(商品・人物)
- ・配色・デザイン
- ・アイコン・装飾要素
ビジュアル要素のテストでは、LPのターゲット層の特性を考慮しましょう。若年層向けの商品では明るく活発な印象の画像が効果的です。ビジネス向けサービスでは信頼性を重視したフォーマルな画像が適しています。LPではユーザー層の文化的背景や季節要因も考慮して、適切なビジュアルを選択しましょう。
LPのメイン画像や色彩など、ビジュアル要素の細かい変更でも大きな効果が得られる場合があります。ビジュアル要素をテストして反応の良い要素を選ぶと、ユーザーの行動を促すLPを目指せます。
LPのA/Bテストを行うメリット
LPのA/Bテストを行うメリットは以下のとおりです。
- ■LPの価値を適切に評価できる
- ■A/Bテストの結果により新たな気づきを得られる
LPの価値を適切に評価できる
A/Bテストを実施すると、LPの価値を数値データにもとづいて客観的に評価できます。主観的な判断や経験則だけでは、実際のユーザー行動を正確に把握できません。A/Bテストでユーザーの行動から得られる定量的なデータをもとに判断すると、以下のような信頼性の高い評価が可能になります。
- ・コンバージョン率などのKPI
- ・デザインや訴求内容の影響
- ・投資対効果(ROI※)
- ・ターゲットユーザー層ごとの効果
A/Bテストの数値データにもとづく評価は、経営層や関係者への報告に説得力を持ちます。LPの成果に最も影響している要素をA/Bテストで特定できるため、長期的な改善戦略の方向性を決める際に活用できます。
※用語解説:投資利益率法(Return On Investment:ROI)は、プロジェクトの経済命数にわたって得られる平均利益と投資額との比率を求め、投資計画案を評価する方法です。会計的利益法などとも呼ばれます。
» 財務省 「プロジェクト等の経済性計算についての論点の整理」(外部サイト)
A/Bテストの結果により新たな気づきを得られる
A/Bテストの結果は数値の比較以上の価値をもたらします。データにもとづく分析により、ユーザーの行動パターンに関する具体的なデータが手に入るからです。A/Bテストは「なぜボタンが押されないのか」「最も反応を得られるデザインは何か」といった疑問に数値で答えが出ます。
A/Bテストでは予想外の結果から得られる、新しいマーケティングのヒントも大きな価値があります。複数の仮説をA/Bテストで1つずつ検証できるため、効率的に改善点を見つけることが可能です。継続的にA/Bテストを行うことでデータポイントが蓄積され、LPの精度の高い改善ができます。
LPのA/Bテストを行うデメリット
LPのA/Bテストを行うデメリットは以下のとおりです。
- ■時間とリソースがかかる
- ■機会損失のリスクがある
時間とリソースがかかる
LPのA/Bテストは1つずつの項目を検証するため、かなりの時間とリソースが必要になります。A/Bテストを行うには複数のLPを作成する必要があり、デザイナーやコーダーの時間と労力も不可欠です。LPのA/Bテストから有意義な結果を得るためには2〜4週間の十分なテスト期間も必要になります。
LPのA/Bテストに必要な時間とリソースは以下のとおりです。
- ・A/Bテストツールのコスト
- ・データ分析の専門知識
- ・改善案の実装時間
- ・事前リサーチと仮説構築
- ・管理の手間
小規模なチームや限られたリソースしかない場合は、LPのA/Bテストの時間とコストの負担が大きな障壁になります。LPのA/Bテストを実施する前に時間的・人的コストを正確に見積もっておくことが大切です。A/Bテストは短期的な成果を求めるプロジェクトには向かない場合もあるため、導入前に検討しましょう。
機会損失のリスクがある
LPのA/Bテストは検証中に機会損失のリスクが存在します。オリジナルのLPより性能の劣るバージョンを表示してしまうと、ユーザーの一部がコンバージョンしない恐れがあるからです。魅力がないLPを掲載し続けると、ブランドイメージや顧客体験が損なわれるリスクもあります。
ユーザーからの第一印象は重要であり、LPで一度悪い印象を与えると信頼の回復は難しくなります。A/Bテストの結果から適切な分析ツールの導入とテスト設計を行うなど、リスクを最小限に抑えましょう。
LPでA/Bテストを行う際の注意点
A/Bテストを行う際に適切なテスト方法や結果の解釈を誤ると、不正確なデータにもとづいた判断につながる恐れがあります。LPのA/Bテストを行う際の注意点は以下のとおりです。
- ■一度に複数の要素をテストしない
- ■有意差を確認する
- ■季節要因や外部要因を考慮する
- ■データが十分集まるまで結論を急がない
一度に複数の要素をテストしない
LPのA/Bテストで正確な結果を得るためには、変更箇所を1つの要素に絞りましょう。LPのキャッチコピーとCTAボタンの色を同時に変更した場合、結果に影響した要素がわからなくなるからです。要素ごとにA/Bテストの効果を測定することで、LPの改善方法が明確になります。
一度に複数の要素を変更しなければ、成功した変更点を他のページにも応用しやすくなるため、効率的なサイト改善が可能です。LPのA/Bテストを行う際は正しい判断をするために、基本的には1回につき1つの要素を変更することが推奨されます。
状況によっては、複数要素を同時にテストする多変量テスト(MVT)も検討しましょう。
» 多変量テストの基礎知識や具体的な実施・分析方法を解説
有意差を確認する
LPのA/Bテストの結果に数値の差が出ても偶然の可能性があるため、統計的な有意差があるかどうかを確認しましょう。統計的な有意差を判断するためには「p値」という指標を使用します。
p値が0.05より小さいと「2つのデータに意味のある違いがある」と考えられます。「たまたまこうなっただけ」という可能性が5%未満だとわかるからです。(※帰無仮説)
多くのA/Bテストツールには有意差を自動で計算する機能があるため、上手に活用しましょう。統計的な有意差の判定には信頼区間という考え方も役立ちます。信頼区間とは「母集団の平均値が対象範囲にある可能性が高い」ことを示す範囲のことです。
多くのA/Bテストツールは信頼区間を自動計算してくれるため、数字の信頼性を簡単に確認できます。
» ABテストの有意差とは?
※ 帰無仮説とは統計学で最初に立てるもののこと。「差がない」「効果がない」「関係がない」など、検証したい内容を否定する立場の仮説です。
季節要因や外部要因を考慮する
A/Bテストでは同時期に両パターンを比較するため、基本的には季節要因の影響は相殺されます。しかしテスト結果の解釈や他の期間への一般化を行う際には、季節やイベントの影響を考慮する必要があります。年末年始やブラックフライデーなどのセール期間中は、ユーザーの行動パターンが普段と大きく異なるからです。
セール期間中に得られた結果が、通常の時期にも当てはまるとは限りません。A/Bテスト期間中に以下のような要因がないか確認しましょう。
- ・特別なセールやキャンペーン期間
- ・祝日・長期休暇の影響
- ・競合他社の大型キャンペーン
- ・メディア掲載による話題性
- ・自然災害や社会的な出来事
外部要因がA/Bテストの結果に影響しそうな場合は、要因を除いた期間のデータを分析するか、テスト期間を延長しましょう。
データが十分集まるまで結論を急がない
A/Bテストでは十分なサンプル数とテスト期間を確保しましょう。データが少ない状態で判断すると、A/Bテストが誤った結論に至る可能性があるからです。A/Bテストを始めたばかりでアクセス数やコンバージョン数が少ない場合、結果の信頼性は低くなります。
» ABテストのサンプル数に必要な要素や計算方法を解説
統計的に信頼できる結果を得るには、各LPで少なくとも100回程度のコンバージョンを目安にしましょう。各バリエーションでは1,000~2,000セッション以上を確保することが望ましいです。
A/Bテスト期間は最低1週間、できれば2~4週間程度は継続しましょう。トラフィック量やビジネスサイクルに応じて調整してください。A/Bテストで早期に良い結果が出ても統計的な偶然性を排除するため、計画した期間は最後まで継続することが重要です。
LPのA/Bテストを成功させるためのポイント
LPのA/Bテストを成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。効果的なA/Bテストや組織的な取り組みによって、LP改善を効率的に進められます。LPのA/Bテストを成功させるためのポイントは以下のとおりです。
- ■インパクトの大きい要素から始める
- ■継続的な改善サイクルを維持する
- ■他チームや部署と連携する
インパクトの大きい要素から始める
A/Bテストを始める際は、コンバージョン率に大きな影響を与える要素から取り組みましょう。LPでは細かな装飾要素よりも、ユーザーの行動に直接関わる部分を優先的にテストした方が効果を実感しやすいからです。LPで優先的にテストすべきインパクトの大きい要素は以下のとおりです。
- ・ファーストビュー(最初に表示される画面)
- ・キャッチコピー(ユーザーの心をつかむ見出し)
- ・CTAボタン(行動を促すボタン)
- ・入力フォーム(問い合わせ・申し込み欄)
- ・主要なビジュアル要素(目立つ画像・動画)
LP全体のレイアウトやメイン画像の変更も大きな効果が期待できます。効率的なA/Bテストを行うためにはユーザーが最初に見る部分から改善し、徐々に細部までLPを最適化しましょう。
継続的な改善サイクルを維持する
A/Bテストは一度の実施で終わりではなく、継続的に改善を続けることが欠かせません。市場環境やユーザーの嗜好は常に変化するため、定期的なテストで最適な状態を維持する必要があるからです。LPの改善サイクルを維持するにはテスト結果の記録と分析、次回のテストを計画立案する必要があります。
月1回のペースでLPのA/Bテストを実施し、前回の結果を踏まえて新しい仮説を立てましょう。担当者の定期的な振り返りミーティングも、LPの継続的な改善につながります。
他チームや部署と連携する
LPのA/Bテストの成功にはマーケティングチーム単独ではなく、組織全体での連携が欠かせません。他チームや部署との効果的な連携方法は以下のとおりです。
- ・マーケティングチームが行うキャンペーンの整合性を確認する
- ・営業チームから顧客の声を収集する
- ・デザイナーとデザインの整合性を確認する
- ・カスタマーサポートからの課題を収集する
- ・結果や改善内容を全体に共有する
LP改善の責任者は他のチームや部署と積極的に関わり、A/Bテストの質を高めましょう。月次の報告会でテスト結果を共有し、各部署からの意見を収集することでLPの効果的なテストアイデアが生まれます。組織全体で改善に取り組む文化を作ることが、効果的なLP作成には欠かせません。
» LPOとは?進め方や成功させるためのポイントを解説
LPのA/Bテストに効果的なPDCAサイクルのやり方
LPのA/Bテストでは、PDCAサイクルの実践が効果を最大化します。計画や実行、検証、改善まで体系的なアプローチにより、データにもとづく確実な成果向上が可能です。LPのA/Bテストに効果的なPDCAサイクルのやり方を解説します。
A/Bテストの計画(Plan)
LPの効果的なA/Bテストの第一歩は、綿密な計画を立てることです。明確な目標設定とテスト設計により、迷いなくA/Bテストを実行できる環境を整えます。A/Bテストの計画段階ではテストの目的とKPIを明確に定義します。目標は「問い合わせ数を20%向上させる」といった数字を具体的に設定しましょう。
A/Bテストの計画段階では綿密な現状分析を行い、改善が必要な要素を特定します。仮説は「ボタンの色を目立つ赤色にすれば、ユーザーのクリック率が向上する」のように具体的にしましょう。A/Bテストの期間や成功基準、担当者を決めて元のパターンと新しいパターンを作成します。
Plan(計画)では、目標を明確にすることが重要です。何のために取り組んでいるかをしっかりと認識しましょう。そして、目標を設定しましょう。
A/Bテストの実行(Do)
計画通りにLPのA/Bテストを進めることで、計画したテストの仮説が正しいかどうかを確認できます。A/Bテストを実行する手順は以下のとおりです。
- 1.課題の洗い出しと仮説の立案
- 2.A/Bテストツールの選定・設定
- 3.パターンの入力・登録
- 4.対象セグメント・配分割合の決定
- 5.テストゴールの設定
- 6.テスト開始・データ収集
- 7.動作確認・モニタリング
- 8.結果の分析と統計的検証
A/Bテストを実施する際は、まずテストの目的を明確にし、検証すべき仮説を立てましょう。次に、準備した元のパターン(Aパターン)と仮説にもとづいた新しいパターン(Bパターン)をツールに入力します。
対象のユーザー層や配分割合を決定し、テストのゴールとなる指標を設定したらすべての設定を確認してA/Bテストを開始します。A/Bテスト開始直後には想定通りに動作しているか、データが正確に記録されているかを必ず確認してください。
Do ( 実行 ) の段階は、計画に沿って取組内容を実施します。
A/Bテストの評価(Check)
LPのA/Bテストを実行した後は収集したデータをもとに、より良い成果を出したパターンを正しく判断する必要があります。A/Bテストを正しく評価するには感情に左右されず、数値にもとづいた判断が欠かせません。
コンバージョン率の差を確認し、A/Bテストの結果に統計的有意差があるかを検証します。A/Bテストの収集データをもとにデバイス別やトラフィック源別など、セグメントごとの分析も行いましょう。A/Bテストが予想よりも悪い結果が出た場合、原因分析を行うことで次回のテストに活かせる貴重な知見となります。
詳細レポートを作成し、A/Bテストの結果をチーム内で共有すると組織全体の学習につながります。
Check ( 評価 ) の段階は、成果を確認しますが、それ以外にも確認が必要です。
A/Bテストの改善(Action)
A/Bテストの結果を分析したら、LPの具体的な改善行動を起こす段階です。効果的だった変更はLPに本格導入し、さらなる改善に向けて次のテスト計画を立案します。A/Bテストの改善で行うべきアクションは以下のとおりです。
- ・効果が高いパターンの適用
- ・効果が低いパターンの不採用
- ・学び・課題の記録と活用
- ・新規A/Bテスト計画の策定
- ・結果・改善策を組織で共有
- ・改善活動の継続(PDCA)
LPのA/Bテストで得られた知見を文書化してナレッジベースに蓄積し、他のプロジェクトにも応用しましょう。新たに浮上した課題や改善点をもとに、次回のA/Bテストの仮説を策定します。
» A/Bテストを活用したLP最適化の進め方
Action(改善)とは、成果確認に基づいて今後の計画修正や再計画を行うことです。
LPのA/Bテストのやり方に関するよくある質問
LPのA/Bテストのやり方に関するよくある質問は以下のとおりです。
- ■A/Bテストの適切な期間は?
- ■小規模サイトでもA/Bテストは必要?
- ■A/Bテストの結果が思わしくない場合の対処法は?
A/Bテストの適切な期間は?
LPのA/Bテストの適切な期間はサイトのトラフィック量とコンバージョン率など、複数の要因によって決まります。企業の規模ごとのテスト期間の目安と必要な条件は以下のとおりです。
サイト規模 | 推奨テスト期間 | 必要な条件 |
---|---|---|
大規模サイト | 1〜2週間 | 1日1,000訪問以上 |
中規模サイト | 2〜3週間 | 1日100〜1,000訪問 |
小規模サイト | 4〜8週間 | 1日100訪問未満 |
適切なテスト期間を決めるには、統計的に有意な結果を得るために必要なサンプルサイズを計算し、個別に判断することが重要です。サイトの規模を問わずLPで統計的な有意差を判断するには、以下の要素を考慮する必要があります。
- ・サンプルサイズ
- ・コンバージョン率
- ・効果量
- ・有意水準
一般的には各バリエーションで十分なコンバージョン数を収集することが重要ですが、必要な数はテストの条件によって異なります。アクセス数が少ないLPでは十分なデータを収集するために期間を延長するか、適切な統計的手法を選択しましょう。
» ABテストの最適な期間と期間を決める6つの要素
小規模サイトでもA/Bテストは必要?
小規模サイトでもLPのA/Bテストは十分に効果的です。LPへのアクセス数が少なくても、改善によって得られる1件当たりのコンバージョンの価値は大きく、投資対効果は高くなります。小規模サイトでLPのA/Bテストを成功させるためには、テスト期間を4~8週間と長めに設定しましょう。
無料や安価で始められるA/Bテストツールも提供されているため、小規模サイトでも積極的に取り組めます。
A/Bテストの結果が思わしくない場合の対処法は?
LPのA/Bテストで期待した結果が得られない場合でも、失敗から多くの学びを得られます。A/Bテストの結果が思わしくない場合の対処法は以下のとおりです。
- ・効果がなかった変更はもとに戻す
- ・定性的な気づきを収集する
- ・全く新しいアイデアや切り口でA/Bテストを試みる
- ・アンケートを取る
- ・直接ユーザーに話を聞く
失敗から学びを得るためには、LPでユーザーの行動を阻害する要因がないか再検証しましょう。複数の対処法を通じて原因を特定し、改善策を考えることで効果的なLP作りにつながります。A/Bテストの分析の結果、変更前が優れていたと判断できる場合はもとに戻す判断も有効です。
まとめ
LPのA/Bテストはデータにもとづく科学的なアプローチによって、コンバージョン率の向上を実現する手法です。A/Bテストを成功させるポイントはインパクトの大きい要素から優先的にテストし、継続的な改善サイクルを確立することです。
PDCAサイクルに沿った計画的なアプローチと他部署との密な連携により、A/Bテストの成果を最大化しましょう。SiTestを使えば、A/Bテストに必要な機能がすべてそろっています。ヒートマップやLPOも含めてスムーズに運用でき、SiTestの導入はテスト成果の最大化に直結します。
-
お問い合わせ
SiTest の導入検討や
他社ツールとの違い・比較について
弊社のプロフェッショナルが
喜んでサポートいたします。 -
コンサルティング
ヒートマップの活用、ABテストの実施や
フォームの改善でお困りの方は、
弊社のプロフェッショナルが
コンサルティングいたします。
今すぐお気軽にご相談ください。
今すぐお気軽に
ご相談ください。
(平日 10:00~19:00)
今すぐお気軽に
ご相談ください。
0120-90-5794
(平日 10:00~19:00)
グラッドキューブは
「ISMS認証」を取得しています。

認証範囲:
インターネットマーケティング支援事業、インターネットASPサービスの提供、コンテンツメディア事業
「ISMS認証」とは、財団法人・日本情報処理開発協会が定めた企業の情報情報セキュリティマネジメントシステムの評価制度です。